朝起きたら家族は普通の対応で、リボーンも普通を装っている様だった。軽く付いた痣はこけたんだと言っておいたから、心配ないだろう。
獄寺君が迎えに来ることはなく、遅刻ギリギリな時間で学校へと向かう。気配がする。どうやらリボーンがついて来るらしい。ボロ出さないように気をつけなきゃ。
これから起こりそうな出来事を予測しながら登校すれば、あっという間に到着地。靴箱に女子の字でありえないなんて紙が書かれた入ってたけど、オレのがありえないって言いたいわ。
ガラガラと教室の戸を開けたらぴたりと会話が止まって視線がオレに注目。地味じゃねぇぞこれ派手だぞ。悪い方向で派手だぞ。
だけどね気にしてたら潰れるから気にしない。オレはオレの席に着いた。

「10代目…」
「さ、わ、だ、だってば。あ、あとで聞くよ」

先生来ちゃった。山本も獄寺君も一日休んだだけでこんなのになるなんて思ってないだろうね。そりゃ考えないよ。
授業は彼らにとってどれ程遅く感じたかわからない。オレ寝てたけど。当てられても爆睡してたり、寝たふりしてたし。その度教師がうだうだ言ってたな。珍しく獄寺君が怒鳴り散らさないから言いたい放題だもん。
待ちに待った昼休み。三人で屋上に上がる。リボーンも来てる様子。

「ツナ」
「あの…どう言うことなんですか」
「皆の様子?オレがしたらしきこと?赤崎さんのこと?」
「全部っス」

だよね。そらそうだよ。どこまで聞いてるんだろ。

「皆からは何を聞いてる?」
「ツナが赤崎に告られて殴ったって」
「その日、学校に来た時からボロボロでじゅ…沢田さんに殴られて傷口が開いたらしいと」

そうだね。クラスの人はそう言ってるね。実際彼女はボロボロだし、体のいたるところに血の滲んだ絆創膏貼ってたしな。
でもオレへの暴行は言ってないのかよ。

「うん。まあだいたいそんな風になってるよね。でだ。獄寺君、山本」
「なんスか」
「ん」

意地の悪いことしてごめん。上司でもない人間が、友達が友達のこと試すのって間違ってるのはわかってるんだ。けどね、見極めないと駄目じゃんか。いつか『オレ』と向き合う日が来る時があったと仮定して、オレは友達の前でも『オレ』でいても大丈夫なのかと。

「オレの主張はやってない、だ。どちらを信じる?」それともダメツナのようなままでいた方が良いのかと。
だから答えて。世界に、人に、一切の期待を抱かないオレに。










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友達好きだけど人間不信な綱吉くん


 

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