山本とツナ















「あっつー」

言ったところでどうにもならないがつい口から出てしまう。持参したうちわ片手にぱたぱたと扇いでいた。

「最近三十度超えが続いてっからな」
「そうなんだよね。暑くないわけがないんだよね」

じとじととした特有の湿度は嫌になる。もう少しからっとした暑さならまだマシなのだろうけど。
机に突っ伏せようにも机が湿気を含んでいるから気持ち悪い。ゆえにだらんと椅子に思いっきりもたれかかっている。

「先生遅くね?」
「遅い。あれじゃない?忘れているか職員室は冷房ついてるからじゃないの」
「ずりーなー」

補習組。オレ達はつまりそれで、平日の放課後は用事があって山本もオレも出られなかったから休日にと変わった。ありがたくない。
そんな奴らはオレ達二人で、来る前に早朝からリボーンに二人ともがみっちり仕込まれたためプリントは出来ている。後からまた来ると行った教員の言った通り、暑い暑い教室の中二人仲良く待機中だ。

「てか山本、こんな暑さで野球よく出来るね」
「めげそうにゃなるけどな。やっぱ好きだし」

暑さに負けず爽やかな笑顔でそういう山本にはやっぱり感心する。好きなんだということは知っているけど改めて聞けば感服するね。

「それにさー、暑い中白球追いかけてんのも楽しいもんだぜ?」
「そんなもんかなあ」
「そそ。やってみるか?」
「いやあ、パスで」

体力が平均以下(だと思う)なオレはすぐにバテる。熱中症で倒れて運ばれるのがオチだ。山本が真剣にやってるのを見ているだけで楽しいし。

「てか先生やっぱ来ないな」
「うーん、奇襲しよっか!」
「お、いいじゃん!ツナ行こうぜ!」
「うん!」

そう言うなりプリントを掴んで鞄を持った。涼しい部屋に入り浸るずるい先生に出来たプリントをさっさと渡してしまおうじゃないか。











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何気ない日常のヒトコマ。
この後二人で遊びにでも
いけばいいです。

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