「おや」

帰り道。獄寺君が用事があるとかで早々に帰ってしまい本日は一人での帰宅。こんな日は先生方に目をつけられている生徒、いわゆる不良に絡まれやすいからさっさと帰ってしまうのが一番だ。そう思っていたら不良よりタチの悪い奴が目の前に現れた。

「………ここ並盛だけど」
「迷子じゃないですよ。帰り道くらいわかってます」
「じゃあ何してんの?」

久しぶりだと言うのにつれませんねぇ、なんてぼやかれた。だってお前のいるとこは黒曜じゃん。クロームはどうした、クロームは。

「クロームは雨が降ってたから頭が痛いそうですよ。僕はただの散歩です」
「ふぅん」

そんなオレを見透かしたかのように骸は言った。確かにクロームはそういうことに弱そうだ。骸は散歩なら黒曜ですればいいのに。

「自分から聞いといて興味なさそうな反応は止めてくれません?」
「だってそこまで興味ないし。ああでも、クローム大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。雨は止んだから多少回復してるようです」
「そっか。良かった」

意思以外はなにかとひ弱そうな彼女だ。心配するのは当然だろ。

「今日は右腕くんはいないんですねぇ、珍しい」
「用事があるとかでね」

山本も室内での練習らしくてここにはいない。別にこいつと会話らしい会話なんてするつもりはないつもりだけど、何故だかオレは会話を繋げようとして辺りを見渡した。そうすれば骸の隣に人様のお宅の紫陽花が咲いていた。

「紫陽花…」
「梅雨ですから」
「今が時期だもんね」

ふわりと骸が雨露に濡れた紫陽花に触れた。穏やかに微笑む顔とか、藍色の髪とか、雰囲気とか、それらが相俟って、その一連の仕種が切ないような印象も受けるけどとても、そう。

「…似合うよね」
「はい?」
「紫陽花と骸。顔だけはいいから似合う」
「だけって。何気にひどいですよ」
「お前よりマシだろ」

ふふっと笑ってやれば呆れた顔されてしまった。いやでもしかし絵になるよ。
ふと空を見上げてみれば先程の雨のせいか、くっきりとした虹が出ていた。

「あー、虹出てる」
「アルコバレーノ呼んでみたらどうです?」
「虹だけに?」
「虹だけに」

たかがそんなくらいで呼び出したらリボーンに殺されるなあ、なんて笑ってみればそうですねと一風変わった笑い声で笑われた。何せわりと短気だからねあいつは。

「そろそろオレ帰るよ。皆によろしくね」
「ええ。それでは」

骸と別れて少し歩いてまた見上げてみたら、まだそこに虹あった。こんな綺麗な虹を見られるのなら少しの雨もいいかもしれない。













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何が書きたかったか
よくわからなくなった。
骸と紫陽花 とか
凪と紫陽花 は合いそうです。

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