ツナとビアンキ

















梅雨に入りそろそろ衣服も春から夏へと変わろうとする頃。ここ沢田家でもそれぞれの衣更えの真っ最中だった。

「母さーん!夏物どこー?」
「夏物は押し入れの引き出しの中よ。春物はその上に仕舞っておいてね」
「わかった」

綱吉は言われた押し入れを開ければ下の段には収納ケースが箪笥よろしく積まれてあった。その一つの夏物の引き出しをそれごと取り出し、春物をその上のほぼ空になっているところへ仕舞う。ちなみに綱吉の衣服を収納できるところはワンシーズンの衣服しか入らない。その他の物が多いからだ。
春物を仕舞い終わって、なんとなく横に置かれた引き出しを開ければ小さな服がたくさん入っていた。

「ツナ、リボーン知らない?」
「あ、ビアンキ。リボーン?朝どっか行ったよ」
「そうなの?残念だわ。ところで手に持ってるそれは?」

一人ごそごそとやっていた綱吉を尋ねビアンキが部屋に入れば、胡座をかいて小さな服を広げ眺める彼の姿がそこにあった。綱吉が手に広げているのはとてもじゃないが綱吉は着れそうもない、ランボやリボーン、イーピンが着れそうなサイズである。

「これ?」
「そう。小さな洋服ね」
「これオレが小さい時の服だからね」
「ああ、それでそんなに小さいのね。あら、奥の引き出しの中のは名前が書いてあるようだけど?」

それはなあにと指差されたのは幼稚園くらいの体操服で。広げてみれば胸のところにさわだつなよしと大きくかかれてあった。

「懐かしいなあ。体操服だよ」
「ツナもこれを着てたの?」
「そうだよ。これ着てお遊戯とかしてた」

心底懐かしそうに目を細める彼にビアンキもそうなの。と隣に座って目を細めた。

「見てみたいわね、その頃のツナ」
「あはは、チビだったよかなり」
「そりゃ小さな時だもの。隼人も昔はもっと小さかったんだから」
「そうだね」

くすりとビアンキに綱吉もつられて笑った。小さな獄寺君も見てみたいなあなんて綱吉が言えば、今度写真見せてあげるわとビアンキは返して小さかった弟を思い出した。

「話も聞かせてよ」
「もちろん!」
「やった。んじゃオレ夏物仕舞ってくるね」

よいしょと取り出した引き出しを持ち綱吉は階段へ向かう。部屋から出ようと一歩踏み出した時にそういえばと首だけビアンキの方へ向いた。

「オレの小さい時のアルバムあるよ。見る?」
「あるの?見たいわ」
「じゃあ後で見せたげる」

ちょっと恥ずかしいけどねなんて照れ笑いを浮かべる綱吉に、楽しみにしてるわとビアンキは目をまた細めた。











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衣更えじゃないですが
前に掃除していたら
幼稚園の頃の体操服出てきて
吹き出しました。

ツナの幼少期の写真見たい…!

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