嫌われ設定。
リボーンの思惑により
綱吉、一部記憶喪失














「誰?」

ベットの上で漫画を読んでいれば、知らない人達が入ってきた。ここ一ヶ月、いじめという暴行を受けていたたから身体はボロボロだし、日曜日なんだから休息くらい取りたいのだけど。

「ツナ…?」
「じゅうだい、め?」
「君達は誰。十代目って何」

何を言ってるんだと近寄ってくる彼らは、俺の名前を知ってるようだ。やめてくれ。身体が拒否反応を起こしてる。バレないように必死で堪えるけども。
それにオレは十代目なんて知らないけど。十代は十代だけど。なんの十代目だよ。

「俺達がわからんのか沢田!」
「なんの演技だダメツナ」
「なんでオレのあだ名知ってんの。てか君は帰らなくて良いの?両親が心配するよ?」

わからんし、演技ってなんだよ。知らないから知らないって言ってるだけじゃん。オレを知ってると言うならばあだ名は知っててもおかしくはないけど、この黒い赤ん坊だよ。日本語を流暢に話すし、言ってることだって赤ん坊が言うような言葉じゃなくない。親はどうなってんの。

「ねぇ誰なの。人の家に入り込んで。不法侵入?母さーん!」
「落ち着けツナ!」
「極限に俺達は不法侵入ではない!」

不法侵入じゃない。オレの頭では処理できなくなって、家に入って来て不法侵入ではないと言うなら母さんは知ってるだろ。じゃあ母さんに聞けばわかる。

「十代目!俺達は仲間でしょう!」
「仲間?なにそれ?オレ軽く話す人は学校にいても、友達と呼べる人はいないけど」

最近はその軽く話す人でもオレの悪口なんかを言うけど。友達なんかいるわけないじゃん。人と関わるなんて面倒なんだから。仲間ってなんの仲間よ。ゲームの仲間?まさか。オレは知らないのに。
ああ、母さんよかった。いてくれたんだ。この中で唯一オレの知る人が来てくれた。

「ねぇ母さん、この人達は誰?母さんの知り合い?」
「ツっ君?何を言ってるの?皆ツっ君の友達じゃない」
「母さんこそ何言ってんの。オレの知らない人達だよ」

大丈夫?なんて聞けば信じられないといった顔で見られた。何が信じられないの。友達いないって。こんなイケメン揃いがオレの友達なんて甚だおかしいでしょうに。

「ツっ君……?」
「ママン、大丈夫だ。だから下に降りといてくれないか?」
「え、ええ」

一体何が大丈夫なんだ。オレは頭がぐちゃぐちゃになりそうで大丈夫なんかじゃないんだけどね。反論はやめておこうか。

「十代目!本当に俺らがわかんないんスか!」
「ちょっ、何!だからオレは君達なんて見たことも初めてだし、まず十代目ってなんだよ」

縋り付かないで触らないで。他人に触られるのってのも好きじゃないんだ。さっきからわからないって言ってあげてんじゃん。耳聞こえてるだろ銀髪。
また十代目って言うし。そろそろなんの十代目かっていうオレの質問に答えろっての。

「沢田…お前は本当に…」
「何?てかさ、オレ知らない人を部屋にいれるのって好きじゃないんだよね」
「俺達はお前の友達なのな!」
「だから違うって。仮に君達がオレを知っていたとしてもオレは知らない。つまり一方的であってオレの知り合いではないの。わかる?」

ストーカーみたいに自分は君を知っているってなっても、相手は君達知らないんだよ。警察行けばいいのかこれ。あ、でも母さんはこの人達を"オレの友達"だと言ったな。知らないけど周りが知ってんなら無理じゃん無駄じゃん。

「……ツナ、お前が俺達を忘れているというのなら、今からまた」
「またって何。何も君達からはいらないよ。ただ今すぐ出て行って」

ただ君達とは関わりたくない。とくに赤ん坊、君とは関わりを持ちたくない。勘ってやつだろうか。関わっちゃいけないと思うんだよね。
ア然としちゃったけど、動けるし喋れるでしょ。見たところオレみたいに身体はボロボロではないんだから、歩くのに苦痛も感じないでしょ。戸も開けてあげたんだ、さあ早く。

「突っ立ってないで早く。歩けるでしょ。出て行って」

テリトリーってあるでしょ。オレはそれが人より少し強いみたいでさ、他人を自分が気を許す空間、距離に入れるのって実は大嫌いなんだよ。
ほらほら出て行って。馴れ馴れしくなんかしないで。








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信じてた仲間に裏切られて
信じてた仲間全員の
記憶を抜き落としたことで
裏切られたという事実に
たえようとしたのです。
テリトリー内に見知らぬ人を
いれたくないのもその為の
身体の防衛反応。

記憶障害に詳しくはないけど。

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