綱吉と骸














くだらない。だから何であると。
優秀だと言う家庭教師様に聞けばくだらないとは何事だと絞られる痛いっす。
オレはごくごく普通の少年なんだよ。マフィアなんてくだらない。その世界の人には謝るごめんなさい。
右腕だと言う彼に言えば何をおっしゃってるんですかと熱弁される。ざっと小一時間は。
親友だと言う彼に言えば子どもの遊びだろと相手にされない。いやしてくれてるのかもしれないけども。子どもの遊びは戦闘で命の危険にさらされることはない。
オレの好きな女の子の兄は男は大事なものを守る時は手段を選ばないとなんかかっちょいいことを言われた。手段くらい選びたいです。
オレん家にいるちびっ子はボスはすごいんだもんねって小さいなりに語りだすんだよ。可愛いけどちょっと欝陶しくなった。
恐怖の風紀委員長は知らない。聞いても無駄な気はする。
ただオレは普通の、ごくごく普通の少年であり人間なんですよ。普通に中学通って、これはやばいと高校へ行くためにきっと勉強して、今の時代大学行っても仕事つけるかわからないから専門学校とか行って資格取って働くんだ。
いつもにこにこ笑ってくれてる母さんに親孝行するために。母子家庭だからね。え、父親?知らん星になった。まぁその星になった父親のおかげで今生きてるわけではあるけども。
だけどオレが十代目となることは決定事項らしいんだよ。
そりゃオレだって友達や先輩は大事だから守りたい。守られてるばっかは嫌だもん。
けどこーんなはちゃめちゃな世界に巻き込みたくないの。オレが巻き込まれたくないのもあるけど。それが一番だけど。
だからさ、オレはどうすればいいと思う?

「……継いだ後、十年くらいで引退すれば良いんじゃないですか」
「元気なうちにそんなのできる?九代目はおじいちゃんだよ?」
「致命傷的な怪我すればいいじゃないですか」
「オレの人生設計はどうなるの」
「専門学校行けば良いじゃないですか」
「行かせてくれるかな。そもそもそれは親不孝であって、親孝行じゃないよね」
「行かせてくれはしますよきっと。親孝行は、それは……」
「ね。違うよね」
「そしたら違う方法で引退すればよいじゃないですか」
「どうやってさ?」
「…いやわかりませんけど」
「解決策考えてよ。オレわかんないもん」
「わかりました!協力しますから!君が引退するって決意した時は協力しますから!」
「わかった。それまでボンゴレやるよ」
「………なんで夢の中に現れたのに、君の愚痴みたいな結構ヘヴィな話聞かされてるのか僕は今知りたいですよ」
「お前が今解決策のない悩み事のあるオレの前に現れたからだよ」

簡単なのはオレが消えることなんだろうけど、それをするだけの勇気と体力と精神力がないんだもん。
オレは一体どうすれば一般的に見て普通と呼ばれる道に戻れるのか。うん無理だよね、それは仕方ないから今は諦めようか。
さっさと引退するんだから、それから普通になるんだ。














----------
普通の男の子になりたい。

骸さんは精神世界ふらふらしてたら
ちょっぴり情緒不安定な
綱吉さんの世界に辿りついて
おちょくってやろうとすれば
逆にちょっと聞いてよ的になる←

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -