嫌われのつもり。
スレツナとリボーンとちょっとママン

















「もう面倒臭くなってきた」

ごろんとベットの上で仰向けになり手に持っていた漫画を置いた。半袖をから伸びるツナの腕には火傷や切り傷、打撲痕が痛々しくついている。

「……そんだけ傷だらけで面倒だけだと言うお前の神経が俺には理解できんぞ」
「えー?楽しかったんだけどね。傷は痛いからムカつくけどさ」

何が楽しかったんだ。そのまま俺が問えば答えはからからと笑ってツナが言う。

「見下してる感とオレを切り捨てちゃうことが」
「………お前そんな人間だったのか」

元々俺はダメツナと呼ばれるすぐに出来ないと言うツナしか知らなかったはずなんだ。数週間前にいじめられるまでは。
一人の女子生徒の嘘に皆が皆騙され、俺がこいつらはツナの仲間だと、ツナを信じると思った奴らはツナを裏切った。最初こそ俺にもしょんぼりと加えて怯えた風に見せたツナも「もうしんどくなってきた」の一言でツナの本性を初めてお目にかかることとなった。あいつら恨みたい。

「こんな人間だったんだよー」
「はぁ……で?何が面倒なんだ?」

正直、俺はこいつにダメツナでいて欲しかったと最近つくづく思う。

「ん?あぁ、いじめられっ子してんのが。痛いんだよー。オレはMかっての」
「違うことは俺が一番知ってるぞ」
「でっすよね。飽きたわもう」

飽きた。バリエーションはない。飽きたと一言で片付けるのは見ていても、ツナの話を聞いていてもわからなくはないが、それを言うのは普通じゃないと俺は思う。
パターンとしては女子生徒が泣く(ツナには狂ったように見えるらしい)、男子生徒が怒鳴る(ツナは何言ってるかは記憶しない)、暴行が始まるといった具合だとしてもだ。

「もうパターンがないのかね」
「ないだろうな」
「そっかぁ……」

ふーんと言いながら天井見ながら笑ってやがる。止めてくれ。前のツナからは絶対に見ることの出来そうにない顔しないでくれ。
よし、と起き上がるこいつはどこか楽しそうなのは何故だ。身体は痛々しいのに顔はそれを微塵も感じさせやしない。

「ツナ?」
「なぁに?」
「制服に着替えて何処に行くつもりだ」
「いやだなぁ、制服なんて学校行く時しか着ないでしょ」

ニコニコしてるくせに寒気、そして嫌な予感しかしないのは気のせいか。気のせいだろう。
テキパキと着替えて準備をしている。今日自主休校した奴が学校行くのは何も言わないでおこう。俺が面倒臭いんだもん。

「今からだと放課後に間に合うよね。よし、じゃあ証拠もあるし、暴行の仕返しした後にでも突き付けてやりましょうか」

ね。ってなんで俺を見る。
今日まで我慢したとは言え、仕返しは我慢できないか。

「行くよリボーン」

おいでと言葉の手を差し延べられた俺に拒否権はないのか。ないのは目が言っているけども。
ツナの肩に乗っかり、どたばたと階段を降りればママンが買い物から帰って来たみたいで鉢合わせた。

「あらツっ君、学校行くの?」
「うん。被害者面した女の子と、正義面したとんちんかんに何が事実かを教えてあげようかなって」
「大丈夫?それにリボーン君も?」
「大丈夫だって。リボーンも連れて行くよ」

俺は半ば強制だがな。

「そうなの。行ってらっしゃい。そしたら今日の夕飯はちょっと頑張らなくっちゃ」
「やった!じゃ行って来まーす」

ママンの性格を今日程驚いたことはないぞ。行ってらっしゃいって。止めないのかママン。
身体中傷だらけとはまったく合わない、うきうきした顔を横目で見ながら、俺はツナに何もできることはなかった。
仕返しと称した一方的なストレスの発散に俺は頭痛と寒気、それからやる気のツナのいい笑顔を見ることになるのはもう少し先のことだった。













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シリアス目指したのに。
あれ?シリアスどこ消えた?
スレツナ(?)とリボーンが絡むと
シリアスは消えるんですかね←

ただいまと帰った綱吉は
きっといい笑顔で
リボーンは表情は青いと思う。

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