十年後
綱吉とリボーンとママン


















晴れた良い天気の日本。綱吉はリボーンと二人、今は離れた故郷を、自宅を訪れていた。現在はリビングで寛いでいる。

「ぶえっくし!」
「汚っ」

日本には三泊の予定であり、二日目のある時から急にリボーンのくしゃみが酷くなりだした。

「汚い言うな」
「だったらちゃんと手を押さえろよ」
「るせぇ」

たまには日本茶が飲みたいと綱吉の母に頼み入れてもらったお茶を飲む。綱吉はその口の上にきらりと光るものを見つけた。

「…リボーン……お前、鼻水出てないか?」
「そんなこたぁ…」

あるわけがない。そう思って鼻の下に触れれば液体状のものに触れてしまった。

「……紙!」
「はいこれ。風邪かぁ?」
「体調管理はしてるつもりだがな…」

ちーんと鼻をかんでごみ箱に投げる。
いくらハードな仕事をしていても自分で体調管理くらいはしているとリボーンは言い張る。綱吉も十年は一緒にいるが、リボーンが風邪を引くなど片手で数える程しか見たことなかった。

「鼻水が垂れてくるぞ」
「箱ティッシュもっとけよ」

さすがに鼻に詰めるようなことはリボーンはしない。美学に反するだろうから。

「リボーン君、目はかゆい?」
「そう言えばかゆい」

大きな瞳にはうっすら涙のようなものが見える。

「多分花粉症じゃないかしら」
「花粉症?」
「あー。イタリアにゃ杉なんてほとんどないし」

もちろん花粉症になるのは杉花粉だけではないが、杉で発症する人間は多い。アルコバレーノとて一応は人間である。アレルギーには勝てはしない。

「べっくしゅっ!」
「…母さんマスクある?」
「あるわよ。ちょっと待ってね」

沢田家に花粉症にかかっている人間はいないが一応の為にと母親は買ってある。今回はそれが始めて日の目を浴びることになった。

「はい」
「……つけるのか」

渋々受け取りはしたが着けることをリボーンは躊躇う。これもまた美学に反するのだろうか。

「つけとけ。軽減も兼ねてる。隠れるんだからティッシュを鼻にも詰めとけよ」
「それだけは断る。垂れたらかみゃあいいんだ」

プライドが許さないらしい。

「こんな急になるものなのか」
「今まではなかったものねぇ」
「家族全員花粉症と無縁だったからオレ知らないんだよね」

マスクを着けたリボーンは顔が半分隠れてしまって表情はわかりにくいが、苦虫を噛み潰したような顔をしてることは目が語っていた。一方沢田親子はなんともないので悔しいらしい。
母親は心配そうではあるが綱吉は面白いものを見るようだ。顔が笑っている。

「帰ったら皆に言わなきゃ」
「殺すぞテメェ」


三日目の帰る直前には鼻水と涙で顔を濡らしたリボーンがいた。














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鼻水と涙で顔をぐちゃぐちゃにした
リボーンとか見てみたいです。
イタリアに杉があるかないかは
ぶっちゃけ私しりません←

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