パロディ
もしも綱吉と白蘭が
仲良くなっちゃってたら















「ボク、ボンゴレ壊滅させたいんだよね」

もっちゃらもっちゃらマシュマロを食べながら言われた。敵対してるマフィアのボス同士が一緒にティータイムなんて部下に絶対に阻止されるから、お互い抜けだして街中のカフェで。

「うん。でもオレはファミリーは護るからね」
「そうなんだよね。こっちにはユニちゃんいるからアルコバレーノのおしゃぶりは確保できるわけ」
「そうだね。だから欲しいのはボンゴレリングでしょ?」
「そうそう」

絶対ティータイムなんてほのぼのした空間で話すことじゃないよね。どちらかの客間で重苦しい空気の中話すことだよね。

「砕いちゃうよ?」
「ちょっ!待って!ダメ、絶対!」
「麻薬の標語かよ」
「そんなことしちゃダメだよ!お願いやめてください」
「ははっ、白蘭以外から苦情来なけりゃ砕いてやるけど他からも大量に来るから。しないよ」

今はね。来なくなったら即砕いてやる。ついでにボンゴレの必要性がなくなって、ファミリー全員を表会社につかすことができたら消してやる。

「ボク言ってるじゃん、この世界が欲しいって」
「知ってるけど?」
「それには綱吉クンとボンゴレリングも必要なの」
「そんなのオレ知らないし。おこがましいったらないね」
「そんなこと言わないでよ。おこがましいのは承知だよ。でもほら世界征服って夢じゃない」

お前の夢はオレの夢じゃないと言ってやればそうだけどさぁってもそもそマシュマロを口に含む。このマシュマロ、大量に袋に入ってたのになくなってきたし。次の用意もしてるってどんなけ好きなんだよ。
オレも紅茶がなくなってきたからおかわりを店員に頼んだ。砂糖は五つ。ついでに白蘭のも頼んであげる。優しいよねオレ。

「ねぇお前一人でトップに君臨したいの?」
「うん?まぁできたらそれが望ましいことだよね」
「ふぅん……」

オレは今のこの世界が好きだから変えて欲しくないんだよね。このまま皆と老後迎えて死んでいきたいしさ。できるかわかんない世界に身を置いてるけど。

「何?あ、ありがとー」
「どうも。いやオレ変えて欲しくないわけ。大変だけど皆と一緒にいたいんだよ」

店員がおかわり持ってきた。砂糖は自分でいれるんだけど。
白蘭は新しいマシュマロ袋開けたし。

「ほんと綱吉クンはファミリー大事にするよね」
「オレみたいなのについてきて大丈夫かと思うけど、皆大事だからね」
「部下は幸せだよー」
「オレみたいな上司、オレなら絶対嫌だけどな。ああ、白蘭みたいなのも却下」
「ひどっ!」

だってすごい我が儘じゃん。確実に部下は大変だようん。
最近わかったけどオレは人の下について働く才能ない。失敗とドジの連続な気がする。上に立つ才能もないんだけど。でもどっちかって言えば上に立ってる方がまだマシだと思える。

「あ、二人で征服は駄目なわけ?」
「二人?綱吉クンとボクで?」
「うん」
「えー。反発すんじゃん」
「区域分ければいいだろ。それにオレ早めに引退予定だからそうなったらそこも好きにしろよ。最低でもオレの知人達に危害を加えなければオレなんも言わないよ」
「おー、だったらいいかも。あったま良いー」
「これでもマフィアのボスとかしてるんでね」

善良なる一般市民に良いように変えてくれるならオレだって協力するさ。むしろ賛成。汚いことやってる奴を牛耳ればだいたい世界征服なんか終わるんだから。
ぶっちゃけ一般市民の力なんか微々たるもんだしね。一票でも多い過半数に支持されりゃいいんだよ。

「それならのった!」
「けってーい」
「早速同盟組んじゃおっか」
「わー説得時間かかりそう」
「うちも一緒。帰ったら早速してみるよ」
「オレも。頑張りますかぁ」
「そうだねー」

こんな感じでカフェで時折重大事項が決まるんだ。しかも所謂は敵とだし。
やっぱりオレみたいな上司嫌だわ。勝手過ぎる。











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この二人、気が合えば
ばっちり合うんじゃないかなと
わたしは思うんです。

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