綱吉とランボ














「いい天気だねえ」

春の快晴の日。ぽかぽかとするうちの縁側に座って綱吉はひなたぼっこをしていた。隣ではランボが寝そべってお絵かきを。他のチビ二人は買い物に付いていった。

「ツナ!」
「んー?」
「じゃじゃーん!」

座ってから見てと出された色とりどりものは決して上手いとは言えないが、いくつかわかるものもある。クレヨンで描かれたそれは鼻歌を歌っていたのもあり、楽しく描いていたことは読みとれた。

「いっぱい描いたねー」
「へへー。この黄色いのがちょうちょ、赤いのはイーピンで黒いのがオレっち!」

一つ一つ丁寧に指を差して説明をしてくれる。人物だと読みとれたものは自分と友人であったようだ。

「この茶色は?」
「これはツナ!黒いぐちゃぐちゃはリボーン」
「リボーンこれかよ!茶色はオレなんだ」

うんと元気良く返された。よくよく見れば特徴ある髪型が雰囲気は似た感じで描かれている。リボーンはランボの感情のまま描かれたのだろう。人物とはわからなかった。
しかし綱吉は自分を描かいてくれたのを嬉しく思う。描かれていない面々もいる中、この小さな子どもは自分を選んで描いてくれたのだから。

「ありがと、ランボ」
「いいんだもんね!」
「じゃあ次は母さん描いてあげたら?」
「ママン?」
「そ。それでプレゼントしてあげなよ」
「する!」

答えるやいなやお絵かき帳のページをめくって描き始めた。また寝そべって楽しそうに描く様子は見ている者を和ませる。今のこの姿からは想像もつかないが、実際はイタリアのマフィアであっても、だ。
10分くらい経った時、綱吉は鼻歌が止んでることに気付いた。隣を見ればよだれこそ垂らしてはいないが気持ち良さそうに眠る姿がそこにあった。

「しょうがないなぁ」

よいしょとランボを抱え、室内に連れて行き寝かせてやる。冷えるといけないからと薄いタオルケットもかけるのを忘れない。
それにしても本当に気持ち良さそうである。こちらの眠気まで誘われる。

「オレも寝よ…」

大きな欠伸を一つしてごそごそと隣に潜りこむ。子どもの体温は温かい。触れているだけでどことなく幸せになれる。
綱吉は数分も経たぬうちに眠りへと旅立っていった。
後に帰ってきてランボの絵を見た母親に、二人ともがあらあらと言われたのは言うまでもない。










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ランボの絵にはきっと満面の笑みの
ママンが描かれています。
春でいい天気だと眠くなりますよね

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テーマ「人外ファンタジー」
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