クリスマスわずバースデー



13年前。
「あー。昨日誕生日だったのにケーキ食えなかったな。」はぁーっと大きな溜め息をつきながら珍しく早く学校に来た縹は自分の席に着く。「むしろ喧嘩してたよん。」縹よりも頭一つ分小さい女の子が隣に座り縹の傷をちょいちょいっと触る「いてぇよ。」「みゅふー。こっちの見えてない目、綺麗なのにねぇ?」「うるせぇし。」
眉間にシワを寄せ私を睨みつける。目の前の友人は過去最低の誕生日を送ってしまったらしく今日はひどく機嫌が悪い。「で?何で喧嘩したの?」「…。」眉間のシワがさっきよりも一層濃くはっきりと刻まれ夜から視線を思いっきりそらす。だいたいこの一連の動作から把握できるのだが、あえてまた訪ねる。「はっちゃーほら、こみゅにけーしょん!!」「うるせー。…片目だこのワカメ!!」「ワカメ…?!意味がわからないよ?!」またそっぽを向く彼にもう少し問い詰めようとしたがこれ以上機嫌が悪くなっては困るので聞かないことにする。縹はクラスでは浮くに浮いている存在でいつもどこか一匹狼のような孤独さを纏っていた。本人があまり他人との関係を持ちたがらないのか周りが避けているのか、分からないが友達と呼べる存在が夜しかいない。それに片目だけ何故か色がなく真っ白な瞳をしていたので周りから孤立していた。
「…ねぇ、夜ちゃん…また縹くんといるよ……」「裏で夜ちゃん絶対なんかされてるよね。」「ちょっと心配……。縹くんまた喧嘩してるから…怖いよね。」
小さな女の子達のお喋りが縹と夜の耳に聞こえた。いつものことだ。私がはっちゃんといるといつもあんなこというんだから!!ぷんぷんとする夜を横目でちらっと縹が見たかと思うと、突然席を立ち教室から出て行こうとする。「あ!!ちょ?!はっちゃん?!」驚いて目を点にしている夜をよそに縹は小声で喋っていた女の子達を見据えて「俺はなんもしてねーぞ。」
と言い教室を出ていってしまった。
女の子も夜もぽかんっと口を開けて縹の出ていったところをしばらく眺めていた。
*
現在。
「ねーねーはっちゃーん」
「はんはお。(何だよ。)」
「覚えてる〜?前はっちゃんが荒れてたときのこと!!」
「ほれは、はんほひはねーほ?(俺はなんもしらねーよ?)」
「食べながら喋んないの!」
「おー。」
「何?夜先生!!このおっさん荒れとったん?!」
「うん!!すごかったよー。1日に4回も喧嘩してたんだから!!」
「負け面とかみたんか?!」
「俺は負けたことねーよ。」
「えー結構ギリギリだったことない?」
「お前1日に4回喧嘩できるか?!」
「おっさんなんや強いんや。おもんないわ。」
「そこの眼鏡ドピンクおさげ黙れ。」
「まーまー。ほらはっちゃん!!民ちゃんにあーんして貰いなよ!!」
「嫌!!コイツ絶対鼻イレル!!」
「…!!あんた最低やな!!よし入れたるからこっちきー!!」
「断る!」
あーもー。あんなに楽しそうに笑って昔には考えらんないよねー。あの後すぐに敵陳に行っちゃったからその後のことはっちゃん知らないんだよねー。まぁ忘れたけど!!
「1日送れだけどおめでとうはっちゃん!!」
「おーさんきゅーな。」
****
タイムアウトwwww!!1日送れで温和に解決だったんだけどなーーww夜先生と民ちゃんお借りしましたー!!


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