「夏木くん」
「んー?」
「ちゅーしよう」

「…………は?」

自室に置いてある水色のソファーの上に寝っ転がり雑誌をぱらぱらとめくっていると、不意に名前を呼ばれた。それに対し気の抜けた声で返事をすると、信じられない言葉が返ってきた。しかも臨也はさっきまで台所にいたはずなのに、もうそこまで来てる。ええええええ

「いや、待て待て待て!おかしいだろ!」
「おかしくない、ちゅーしたい」
「いい歳した大人がちゅーとか言うな!……っう、いて…」

勢いよく立ち上がった所を臨也の両手が俺の肩を掴み、再びソファーに沈ませる。
誰か助けが来ないかと辺りをきょろきょろ見回しても、当然この部屋には俺と臨也しか居ないわけで。
肩に両手を置かれ見下ろされながら、話が続けられる。

「じゃあキスならしていい?」
「う……駄目だ」

近い近い!顔が近い!それに思わず流されてしまいそうになっている自分がいる。っていうかキスもちゅーも同じだろ!

「夏木くん」

俺がうううとかあああとか意味の無い言葉を発していると、臨也がもう一度声を掛けてきた。

「な、なんだよ」

「ちゅーしよう」
「っだああ!だからっ、…ッ!」

ちゅ、と軽いリップ音。

「ふふ、ごちそうさま」

後に残ったのは、どこか満足気で嬉しそうな臨也のにやけた顔と、

「〜〜〜〜ッてめ、」

耳まで真っ赤にした俺だった。



バカじゃないよ、アホだけど
(あっはははは、顔真っ赤!)
(………、あああもうッ!)


お題配布元様:31D
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バカップルですかこいつら!
タイトルが本当に思い付かない付かない!この場合、書き終わってからタイトルを決めるのですが…こんな使い方はありなのでしょうか…!
31D様お世話になっています…