エイリア学園はすっかり様変わりをしてしまった。

機械的だった無機質な雰囲気の建物から一変、内装は綺麗な西洋の屋敷のようになり、今では研究施設などは撤去されている。





そんなエイリア学園の綺麗な廊下を三人の少年が歩いている。

「南雲、吹雪はどこに居るんだ。」

ドレッド頭の少年が口を開く。

「多分風介かヒロトの部屋じゃねぇかな?

吹雪一人で居るの嫌がるからな。

風介とヒロトは毎日吹雪にべったりだぜ。」

赤髪の少年がドレッド頭の少年、鬼道の質問に答えた。

「じゃぁ、吹雪が居る場所にはヒロトが居るってことか?。」

バンダナの少年が赤髪の少年に聞く。

「まぁ、多分そうだな。」

赤髪の少年、南雲は興味が無さそうにバンダナの少年、円堂の質問に答えた。

彼にとって、ヒロトという人物はあまり興味をそそる存在では無いらしい。





すたすたと廊下を歩く三人はある部屋の前で足を止めた。

南雲がそっとドアを開けるとそこには南雲たちが探していた人物は居なかった。

「ヒロトの部屋じゃねぇな。」

南雲が呟くと三人はまた歩き出した。

少し歩くとまたドアの前で止まる。

先ほどと同じように南雲がドアを開ける。





「あれ?

アイツら居ねぇな。」

南雲はドアを閉めると鬼道と円堂を振り返った。

「じゃぁ、どこにいるんだ。」

鬼道が若干ムスッとした顔をして南雲に言う。

「ヒロトの部屋にも風介の部屋にも居ねぇとなると…」

南雲は悩んだふうに呟くとまた歩き出す。

鬼道と円堂は南雲に続いて歩き出した。









「居た。」

南雲たち三人がやってきたのは小さな温室。

綺麗な植物がたくさん敷き詰められたその場所に南雲たちが求めていた人たちは居た。

銀の髪をした小さな少年を真ん中に赤い髪をした綺麗な少年と癖っ毛な銀の髪をした少年が木に寄り掛かって眠っている。

南雲たちはそっと近づくとそれぞれ目的の人物を起こさないように抱き上げた。

「たく…寝るんなら部屋で寝ればいいのによ。」

南雲は抱き上げた癖っ毛な銀の髪をした恋人にポソリと呟く。

「体が弱い癖にこんなところで寝るなんて…風邪でもひいたらどうするんだ。

まったくしょうがない奴だ。」

鬼道も銀の髪をした可愛らしい恋人に呟く。

円堂はなにも言わず恋人の綺麗な髪を撫でていた。












可愛い寝顔の天使たちを起こさないうちにあたたかいベッドに連れて行ってあげましょう。

天使たちを構うのは天使たちが夢の世界から戻って来てから。

end




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凍えた心の最様から。
なにこれ、かわい……っ!
30000hitおめでとうございます。
ありがとうございましたあああ!