「………。」

なぜこんな事になったのか…
なぜ私は4人に追いかけられなくてはならないのか。

「ガゼルー!どこだーっ」
バーン。

「こっちにお菓子あるよー」
グラン。(私がお菓子につられるわけないだろう!)

「ガゼル様どこですかー?」
「出てきてくださーい」
なぜかヒート、とアイキュー。

………確かさっき、バーンとグランと、紅茶を飲んでいたはず。
その後…


「ねぇ、鬼ごっこしない?」

グランが突然言いだした。

「やだ、疲れる」
「めんどくさい」
「え〜、二人ともノリ悪いなぁ、…じゃあ勝った人には、ガゼルをプレゼント!」
「はぁ!?それ鬼ごっこじゃねーし」
「いい加減にしなよグラン!私はやらない」

「ガゼルは強制参加ね」

「…はぁ!?何で私が…」
「バーンはどうする?ガゼルはやるみたいだけど」
「……っやるよ!やりゃいいんだろやりゃあ!!」

「…ちょっと待ってよ!それ、私に何の得があるのさ?」

「当たり前だけどガゼルが逃げる人役ね、んで俺らが追いかける」

…無視か。

「まぁとにかく、ガゼルを捕まえればいいんだろ?」
「そういう事♪じゃあガゼル逃げて!」
「グランじゃなくて俺に捕まれよ!」

だから、私に得は!?
バーンはノリノリだし…

「それじゃあ数えるよ〜」

「「ちょっとまったぁぁあああ」」

あぁ…また変なのが…


---


ガ「あっ」
バ「げ」
グ「やぁヒート君…それに、アイキュー君も」

ア「どうもこんにちは」
ヒ「その勝負、僕たちも混ぜてください!!」

ガ「…はぁ!?ヒートまで何言ってるんだい…」
ア「私もですガゼル様。」
ガ「アイキューまで…」
ヒ「とにかくガゼル様!僕は絶対ガゼル様を捕まえて、ガゼル様を頂きます!」

ヒートは私の手をにぎりながら、そう言い放った。

ア「ガゼル様、俺もきっとガゼル様を探しだしてみせます」

…なんなんだ、コイツらは…

グ「よし、じゃあガゼル逃げて!」

だから、私は了解してないって…
私は一歩も動かなかった。

グ「あ、もしそこにずっといる気だったら、強制的に俺ら皆でガゼル襲うから♪」
ガ「………っっ!?」
グ「だから早く逃げた方がいいよ?」

私は動かなかった。というより、びっくりし過ぎて動けなかった。

ヒ「じゅーう」
ア「きゅーう」
バ「はーち」
グ「なーな、…襲われたいの?」
ガ「…はっ…ち、違う!」

仕方ない、逃げよう。
襲われるよりマシだ。

遠くで、行くぞ、ガゼルーというバーンの声がした。



そして、今。

バ「いないな〜」
グ「どこいったんだろ?」
ヒ「ガゼル様〜どこですか〜?」
ア「…まだ、そんな遠くには行って無いはず。」

…さすが、アイキュー。鋭い。

私は、4人の会話に夢中で気づかなかった。

?「あれ?ガゼル様こんな所で何してるんすか?」

ガ「ネ…ネッパー!!」
ネ「そうですけど…」

バ「なぁ、今ガゼルの声聞こえなかったか?」
グ「そう?聞き違いじゃない?」
ヒ「僕は聞こえました!」
ア「こっちの方からでしたね。」

まずい!こっちくる!!

「ネ、ネッパー、また後でな!」
「あ…はい…」

また後で会いに行くから!とネッパーに叫んで、私はその場所から離れた。

「…ガゼル様が…俺に…」


(おいネッパー、ガゼル見なかったか?)
(ちょっとバーン、この子の様子おかしくない?)
(ネッパー、僕だよ?分かる?)
(顔が赤いですね)
(ガゼル様…)
((ガゼル(様)絶対ここにいたんだ!))