今日も移動教室なその授業があり、友人と他愛もない会話をしている時でさえ、あの机に書いたコメントの返事の事を考えてしまう俺。授業に集中出来ない。まあする気もなかったりする。

何と返って来るだろうか。俺の席には俺が座っているのだから、俺と同じクラスなはずはない。俺の学校はクラスが4組まである。つまり、2組3組4組のどれかだ。……でももしかすると、返事が来ない可能性だってある。そんなことをぐるぐる考えて、小さな溜め息が漏れた。

「あれ、晴矢…悩み事?」
「……なんでもねーよ、リュウジ」
「じゃあ今の俺の話聞いてた?」
「う……悪い、聞いてなかった」

にやにやと話し掛けて来たのは、俺の友達の緑川リュウジ。何回か相談に乗って貰った事もある。ちなみに学校でいつも行動を共にしているのがもう一人、

「ふふ、随分悩んでおられる様ですが」
「茂人か。その喋り方うぜえ」
「酷くない!?」

こいつだ。名前は以下省略。省略だなんて…という声が横からしたがとりあえず無視をした。

「なに、俺らに話せないような内容なわけ?」
「教えてよ」
「……まあ、いいか」

というわけで、俺の頭の半分を占めていた事を友人二人に話した。……だけど、

「ええ…それだけ?晴矢それだけでそんなに悩んでんの?」
「そ、それだけってな、」
「俺もそう思う」
「茂人まで…」
「だってさ、たかが机のコメントだよ?そんなに深く考える理由が分からないけどな」
「だよねぇ」
「な、…」

反論をしようとして、授業の始まりを知らせる音が鳴った。







「…………あれ」
「どうしたの、風介」
「コメントが…返ってきてない」

す、と机の文字に指を添え、ぽつりぽつりと呟くように言った。
机には相手からの質問と私が昨日書いた4組という答えだけで、その下には何も書かれていない。

「へぇ……もしかしたら、今日はここで授業が無かったのかも知れないよ」
「………」
「それか、どうでもよくなったとか」
「…そう…か……そうだな、そうかもしれない」
「ま、気にしなくていいんじゃない?どうせ顔も知らない相手だし」

確かに。…でも……、
何故か言葉に出来ないような感情が溢れそうだったので、私はもう考えるのを止めた。





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晴矢パートが無駄に長い(笑)
まだ続きます…!