▼ 今日も移動教室なその授業があり、友人と他愛もない会話をしている時でさえ、あの机に書いたコメントの返事の事を考えてしまう俺。授業に集中出来ない。まあする気もなかったりする。 何と返って来るだろうか。俺の席には俺が座っているのだから、俺と同じクラスなはずはない。俺の学校はクラスが4組まである。つまり、2組3組4組のどれかだ。……でももしかすると、返事が来ない可能性だってある。そんなことをぐるぐる考えて、小さな溜め息が漏れた。 「あれ、晴矢…悩み事?」 「……なんでもねーよ、リュウジ」 「じゃあ今の俺の話聞いてた?」 「う……悪い、聞いてなかった」 にやにやと話し掛けて来たのは、俺の友達の緑川リュウジ。何回か相談に乗って貰った事もある。ちなみに学校でいつも行動を共にしているのがもう一人、 「ふふ、随分悩んでおられる様ですが」 「茂人か。その喋り方うぜえ」 「酷くない!?」 こいつだ。名前は以下省略。省略だなんて…という声が横からしたがとりあえず無視をした。 「なに、俺らに話せないような内容なわけ?」 「教えてよ」 「……まあ、いいか」 というわけで、俺の頭の半分を占めていた事を友人二人に話した。……だけど、 「ええ…それだけ?晴矢それだけでそんなに悩んでんの?」 「そ、それだけってな、」 「俺もそう思う」 「茂人まで…」 「だってさ、たかが机のコメントだよ?そんなに深く考える理由が分からないけどな」 「だよねぇ」 「な、…」 反論をしようとして、授業の始まりを知らせる音が鳴った。 ▽ 「…………あれ」 「どうしたの、風介」 「コメントが…返ってきてない」 す、と机の文字に指を添え、ぽつりぽつりと呟くように言った。 机には相手からの質問と私が昨日書いた4組という答えだけで、その下には何も書かれていない。 「へぇ……もしかしたら、今日はここで授業が無かったのかも知れないよ」 「………」 「それか、どうでもよくなったとか」 「…そう…か……そうだな、そうかもしれない」 「ま、気にしなくていいんじゃない?どうせ顔も知らない相手だし」 確かに。…でも……、 何故か言葉に出来ないような感情が溢れそうだったので、私はもう考えるのを止めた。 --- 晴矢パートが無駄に長い(笑) まだ続きます…! ← |