!痛い --- 「う…っげほっ、…ぐ、っ」 「……風介」 「っ来た、のか…ヒロト」 ヒロト、という少年はまあねと曖昧に返事をして床に倒れている少年の側に片膝をついた。風介と呼ばれた少年は小さく肩を上下させるだけでその場から動かない。否、動けないのだ。それ程少年の怪我の具合は悪かった。ざっと見ても身体のあちらこちらに赤や青の痣が点々としている。中には赤と青が混ざり合い紫等に変色している部位もあり、見ているだけで痛々しい。ヒロトは少年から目を逸らした。 「手当てしないと」 そう言ってヒロトは立ち上がる。風介は意識が朦朧としながらもヒロトを目で追った。既に幾度となく風介の手当てを繰り返しているヒロトは直ぐに目的の物を抱え風介の所へ戻って来た。風介が見上げるそこにはヒロトの顔。 しかし、その手に持っているものは、決して治療する為の包帯や消毒液などではなく、銀色に光る鋭利な刃物だった。ヒロトはそれを、風介の胸に向かって振り下ろした。 君の手にはナイフ (風介は、俺が守る) (もう、痛くないよね) お題配布元様:31D --- 表現がグロかったので*つけました いろいろと自由に想像してみて頂ければと思います。 ← |