「遅かったね、侑紀。」

「い、いやあちょっとおなかの調子が、急に…。」


ごめん、ブン太。私にはこれが限界みたいだ…。長めのトイレを済ませると、ニコニコ笑顔を浮かべた幸村が立っていた。あの、うん。確実に怒ってるよねこれは…。はああとばっちり食らうのかなコレ。とりあえず、私にできることはやったんだから、あとはあいつらの頑張りに期待するしかない。


「さあ、早くしないと。みんな待ってるんだから。部長の俺の顔に泥を塗る気かい?」
「ごめんなさいすみませんでした。」
「へえ、そんなんで許されると思ってるの?」


幸村の黒い笑みに一瞬でぞわわわあと背筋に悪寒が走った。フフ、冗談だよと言って歩き出す幸村。ちょ、冗談に聞こえないんですけど!世間の女子はなんでこんな男がいいの?ほんっと理解しがたい。みんな、目を覚ますんだ、キミたちが見てるあの王子様は、実は悪魔を配下もつ魔王なんだよ!!…って、うわいま振り向いた、振り向いたよ!!笑ってるのに怖いとかありえない…!!とりあえずこれ以上怒らせないように、急いで後を追うことにしよう。そうしよう。





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