「ブン太!!ひさしぶりじゃん!」

豪く派手に髪の毛を赤く染めてるコイツは中1からの親友…と呼べるかどうかはよく分らないけど、まあよく一緒に食べに行く(女の子と食べに行くには、私の食事量は半端でないのでこういった男友達としか食べ歩きコースは回れないのだ。)食友だったりする。一緒に毎回ただ食べることのみを目的として出かける友達のこと、略して食友。しばらく会ってなかったが、変わっていない姿を見て安心した。相変わらずの赤毛はよく目立つが、彼にはとても似合う。

「そうだなー!4月にケーキバイキング行った以来全然会ってねーな。」
「ねー。そういえば、関東大会もあったんだよね。お疲れー!」
「おう!俺勝ったんだぜぃ!俺の天才的みょう「ところで、今日は何か?」おい話最後まで聞けよ・・・。」
「はいはい。勝ったんでしょ。おめでと。んで?」
「ん?あー今日から幸村くん学校くるんだろぃ?だから会いに来たんだよ」

今日はうんざりするほど聞き飽きた名前を耳にし、体中に気怠さを感じた。・・・アンタも幸村くんですか。そうかい、幸村くんは女子だけでなく男子にも人気者なんだね、シラナカッタヨ。

「あー、残念。アンタの王子様はあのたくさんの姫の中よ…」

そうやって女子の群を指さすと、ブン太は想像通り目を見開いた。ざまあ味噌カツってやつだ。

「へ!?なんじゃありゃ!?幸村くんホントにあの中!?」
「いえす。」

さすがのブン太も、あのバーゲン会場のような修羅場には近づけないようで、ため息をもらす。私あの中に連れて行かれそうになったのよと言えば、はあ!?と素っ頓狂な声を上げた。ですよねー。

「はあー、さすがにあれじゃ近づけねー…。どうせ部活であえるし、出直すとすっか。」
「え、ちょい待ち!幸村くんってテニス部なの?」
「ああ!部長だぜ!テニスもちょーつえーの!!天才的!!」
「へえー!そーだったんだ。」
「何、おまえ知らなかったの?」
「うん、幸村くん見たことないし。」
「・・・おまえ、本当に女子かよ?」
「!!失礼な!」

幸村くんの事知らない女子なんて初めて見たぜー。ありえねー。と呟くブン太。悪かったわね、どうせそういった流行には疎いですよーだ。まあテニス部ってことはブン太だけじゃなく、ジャッカルにヒロシに真田くんに仁王も、幸村くんのこと待ってるってことか。うん、改めて考えてみると私テニス部の友達多いな。何で幸村くんの事知らなかったんだろ。

「んじゃ、鐘鳴りそうだし俺行くわー。また何か食いに行こうな!侑紀!」
「おう!次は駅前のイタリアンバイキングで!」
「ん!最高!」

ブン太が親指を立ててジェスチャーしながら教室を出て行くと、廊下で自教室に戻ろうとしていた女の子たちがざわざわと沸いた。・・・何故だ。








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