log | ナノ
目の前に最愛の人がいるのに、今の私は最高に不機嫌なのです。なぜかって?そんなの私が一番よくわかってるよ。
「蓮二、おなかすいたよー」
くるくるくるくる回る世界、これは私のお腹からくる活動信号なのかしらと少し前向きに考えてみるけど、やっぱりなんとも不快な脱力感に姿勢も自然とくにゃっとする。その姿に見かねたのか蓮二は読んでいた文庫本を閉じ、スッと立ち上がって私のほうに近づいてくると、腕の下に手を入れ持ち上げられた。わっと反動で声を上げる。思っていたよりも高くて、つま先が床につくかつかないかくらいの高さから降ろしてもらえない。宙ぶらりんの状態。猫か、私は。
「れ、蓮二、降ろしてよ…」
「姿勢が悪いと、後々体に支障を来すぞ。」
そういっていつもみたいにフッと笑う。いけ好かないなあ。でもそこが好きだよ。蓮二。不意に床に降ろされると、そのまま抱き寄せられて唇に軽くキス。ああ。
「後少し、これで我慢しろ。」
秋だから
(今日の夕飯は抜きでも大丈夫かもしれない)
The end!
(20100928)