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きらきら点滅。光るイルミネーション。街には賑わう子供連れやカップル達。そう、だって今の時期は…。



「たのしいたのしいクリスマス!」


「まあ、俺たちにはあまり関係のないことだけどね。」



そういって、イエス様も(ある意味)顔負けな笑顔で私を一瞥したのは、神の子である幸村精市くんである。そしてそのまま問題集とにらめっこ…。ああ受験生の悲しき性かな。私達はクリスマスなんて商法にうつつを抜かしててはいけないのです!


とは言っても、クリスマスだよクリスマス。せっかく彼氏と一緒にいるんだから何かしたいよ。世の中みんなシュワッキマッセーリなのに。どうして日本は4月に新学期が始まるんだ。



「シュワッキマッセーリ」
「…」

「シュワッキマッセェーリィイ」
「…」

「シュワーッハーシュワアァ「うるさいなあ(黒笑)」
「…ごめんなさい」



ちょっとでもクリスマスに参加したくて歌を歌ってみたら怒られた。当然だけど。



「じゃあ、『主は来ませり』を品詞分解できたら許してあげるよ。」


へ?ニホンゴ?


えっと…、うん。「り」が完了だから…。

「しゅ、しゅは、きま、せ、り?」


「いいかげんにしてくれないかな?」


わーあ怒ってる怒ってる…!!笑顔が怖すぎるよ、精市くん!


「全く…どこも受からなかったらどうするつもりなんだい?」

「…がんばります…。」


そうだよ、精市くんと楽しいキャンパスライフを送るんだもの!やっぱだめ。私、俗世は捨てます。キリスト教徒じゃないしね。



「来年は嫌でも楽しませてもらうから、浪人したらしらないよ?」





やっぱり宗教ぐっちゃぐちゃなこの国は、最高だと思うんだ。





拍手お礼クリスマス企画
20101223



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