パコーンパコーンと気持ちの良い音が鳴り響く中、黄色い歓声もなかなか鳴り止まない。特に、今日はひどい気がする。


「試合してる時も思ってたんだけどよぃ、なんか今日はやたらうるせーよな…。」
「ああ…。」


やっぱり先輩達も気になってるんだ。今日はいつもに増してファンの子達、多いよなあ。夏が過ぎてだいぶ涼しくなってきたから、かな。そういえば私がここに来たときはまだ残暑で太陽が少し痛かった。なんだか懐かしいな。


「じゃ、俺たち試合だから。僚、変な奴らに絡まれねーように気をつけろよ!」
「はい、ありがとうございます。試合、頑張ってください!」




そういって丸井先輩とジャッカル先輩を見送った直後だった。




「あっ、ほら、あの子だよ!」
「あ、本当だ!私こないだあの子が赤也くんと一緒に帰るところ見たもん、絶対そうだよ!」

ひそひそと、でもはっきり耳に留まる、陰口独特のいやらしさに不安がふっと掠めて振り返ってしまった。ああ、無視すればよかったと振り返ってから後悔。だってそこにいたのはさっきの赤也のファンであろう先輩達だったから。





act.5


(これ、…結構やばい状況?)






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