おまえ、そんなことするやつだっけ

ああ、言った。言ったよ、たしかに「1000本のバラでプロポーズとか素敵だな」と、高1の時に戯れで言った記憶はある。あれは確か人気俳優が彼女にプロポーズしてた時で─────って、その話はどうでもいい。本題はこの山奥に拡がっている赤い愛の話だ。まさかまさか、学生時代のことをこと細やかに覚えていた挙句実行するとはこちらがびっくり仰天である。適当に流しているように見えてちゃんと話を聞いていたあたり勝己らしいと言えば勝己らしい。

ただやっぱり、ここまでやるか?
爆豪勝己はやることなすこと徹底している、ストイックな男だ。それは今まで恋人という関係を育んできたおれも、雄英で切磋琢磨したクラスメイトも、たぶんコアなファンだって知っている。
だがしかし、これはさすがに想定外である。戯れに言った「1000本のバラでプロポーズとか素敵だな」を真剣に捉え、山奥でこのバラ園を完成させたというのか。ふつう1000本のバラを購入する程度のものでは無いのか、というか常識的に考えれば1000本のバラだってなかなかに大変なものである。それをこんな、おまえさぁ......。
「おれのこと好きすぎるでしょ」
「今更ンなこと言ってんのか」

B
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