爆豪勝己といつかの歌

どっかで心に寄り添ってくれた歌をうたっていた人をずっと探している爆豪と鼻歌で気付かれるB組の主

それは、ほんの少しの鼻歌だった。

周りの誰も気付いていないような些細な音色だったが、爆豪はその響きを聞いて反射的に振り返った。
時刻は12時26分。昼食を摂ろうとする生徒たちの溢れかえる食堂でたった一人の小さな鼻歌を歌う生徒を捕まえるのは、爆豪の優れた感覚を持ってもしても難しかった。ンだよあの小さい鼻歌。もっとデケェ音出せや。爆豪は当て付けのようにそう思いながら、しかしこれは素晴らしい進展だと感じていた。今まで"どこにいるかも分からない誰か"を探していたが、今回の情報によって、"雄英高校にいる誰か"を探せばいい事になる。
日本総人口の1億2600万人から雄英高校全生徒660人に絞られたのだ。これを大きな進歩と言わずなんと呼ぶ。そして、しっかりと確認することは出来なかったため確信はないが、おそらく肩で光る金はひとつだった。制服のブレザーに付けられた肩のボタンはヒーロー科のみひとつ。他科は全てふたつである。

そう、660人から更に120人──A組を除いた100人へ絞り込まれたのだ。思わぬ収穫に口角が上がるのを感じる。爆豪は狩人の瞳を携えて凶悪に笑った。ゼッテェ捕まえてやるから覚悟しとけ。

B
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