明日こそきっと | ナノ

明日こそきっと


*紅様、相互記念です!*
*帝光中時代、ピュア峰×入りたて黄瀬
*×というより+風味


side - k

 ダムダム、キュッ――バスケットボールとバッシュから生まれるこのリズムは心地よくストン、と俺の中に入り込んでくる。俺が身近でこの音を聞き始めて一週間が経とうとしていた
 今まで何をやっても続かなかった俺がバスケに惹かれたきっかけは、本当に些細なこと。バスケをやる彼の姿が輝いてて、楽しそうで。俺の持っていない色を持っている姿を見て羨ましくなった。凄く、凄く。それと同時にものすごい勢いで惹かれていった
 その一軍メンバーの彼は今、現在進行形で練習試合中。俺はスタメン入りすら果たしていないから当然一軍の試合を見学中。相手校は――結構な有名校だった気がするけど名前が思い出せない。それくらい、今の俺は彼、青峰大輝のバスケに夢中な訳で。激しいぶつかり合いの中をものともせずにゴールに一直線に走っていく様にトクンと心臓が強く脈打つのを感じた
 アレ、ドクン?なんか―― オ カ シ ク ナ イ カ ?
 自由奔放に、けれどとても楽しそうに動く彼を見てそんな気持ちを抱えながらも「もっと近づきたい。 彼とバスケをしたい」と、そう思ったとある晴れた日の部活時間



side - a

 やけに目立つ黄色い髪をパサパサと宙に舞わせながらボールを追いかけ走っている。そんなアイツを目で追いかけるようになったのはいつからだろう。多分、一番はじめから。奴が俺の撮り損ねたボールを体育館入口で拾ったあの日からだと思う。やけに目を輝かせ「凄い、凄いっスよ!」と飛び跳ねた奴の顔を俺は未だに忘れられない
 今も今で、先程まで行われていた一軍の試合後に行われている二軍同士の練習試合に一際目立つ黄色い髪。二軍の、何年も先にバスケを始めた奴らにも劣らないそのスピードと技量にいつの間にか目を持っていかれる
 俺を「憧れっス!」と言ったその口元には余裕そうな笑みが宿り、目はいつでもゴールを見ていた

「その調子だ、黄瀬! ぶちかませ!」

 居てもたってもいられなくなった俺は思わず声を上げる。熱気の篭った体育館に響いたその声にボールを持った黄瀬も勿論気づいた
 一瞬だけその余裕そうな笑みが消え、此方に向かって満面の笑み。その笑みが“勿論っス!”と言っている気がしてこちらも思わず笑みが浮かんできた
 次の瞬間、そのしなやかな手先から離れたボールはリングを通過し、ドンっと床を打つ。それと同時に鳴ったブザーは黄瀬の初ブザービートを表していた
 


side - k

青峰から掛かった思わぬ声援に驚いた。けれどそれ以上に嬉しかった。俺は自然に笑っていたんだと思う。今までどこか力んでいたその力が抜け自然にシュートが打てた。シュートが入ったと同時に鳴ったブザーをどこか他人事のように聞き流し、俺は試合終了、並ぶのも忘れていち早く青峰の元に走った

「青峰っち!! 見てたっスか!? 俺の初ブザービート!」
「おう! やるじゃねぇか黄瀬! 早くお前と一緒のコートに立ちてぇって思っちまった」

 ぴょこぴょこと自分でもわかるくらいに浮かれた足取りで青峰の元にやってくれば、同じく浮かれたようで、どこか嬉しそうな青峰に遭遇。俺とコートに立ちたいとまで言ってくれたことに感激して涙が出そう。こんな些細なことで共に笑い合ってくれる青峰を見ていればまたトクンと心臓が跳ねた


――この気持ちはなんだろう……?
 それに気がつくのは、まだもう少し先の話




「明日こそきっと」
(( アンタと同じコートで試合できますように ))

(( 黄瀬! 何をやってるのだよ、早く並べ! ))
(( !! 緑間っち、すんません!! ))






最後に友情出演で二軍の試合をお手伝いしていた緑間っち投入←
紅様への相互リク、帝光時代青黄でした
青黄というよりはまだお互いに気持ちに気がついてない青+黄風味だったような気がします((書いてて気がつきました

紅様、相互リクありがとうございました!
今後とも末永く(!?)よろしくお願いいたします




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