風の強い荒れた夜。風で窓ががたがたと音を立てて、五月蠅いくらいに部屋に響く。十分すぎるくらいの広い部屋と大きなダブルベッド。隣ですやすやと寝息を立てる★を見て、よく寝れるなと呆れるが、★だからかと思うと自然と納得してしまう。そんな事を考えながら★の頭をそっと撫でると、もぞもぞと身動ぎして眠たそうに目を開けた
「ど…したの…?」
「すまねぇ、起こしちまったな」
「ん…いいよ。それよりまだ起きてたの?」
「ああ、眠れなくてな」
俺がそう言うと★は一瞬きょとんとしていたが、小さく微笑みながら俺を抱き締めた(正確に言うと★の方が少し小さいので抱きついているような形だが)一体なんだ、と★を見ると少し照れたように微笑んで此方をじっと見つめてきた
「…?どうした」
「景くん眠れないんでしょ?」
「ああ…」
「僕がぎゅってしてたら安心して眠れるかなって思って」
全くかわいい奴だと思う。俺のことを想ってくれているということを★はいつもちょっとした行動で表してくれる。まあ、当の本人はそんなに意識はしていないのかもしれないが。でも、そんなちょっとした皮肉さえ今の★の顔を見ると愛しさに変わってしまうのだから重症だ
「おいおい、顔が赤いぜ」
「うっ、うるさい!」
「ったく、暴れるんじゃねぇ。早く寝るぞ」
「むぅ…はーい」
そのまま二人で抱き締めあったまま眠りについた。ああ、いい夢が見れそうだ
::抱きしめて眠る夢
夢の中の俺達もまた、幸せそうに抱き締めあって眠っていたんだ
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