『***、今日も可愛いね』 「んもー、そうかなあ?(ニヤニヤ)」
勿論、こんな台詞エースが言っている訳じゃない。 てかエースがこんな台詞言ったら鳥肌立つと思う。 じゃあ、誰かって?そんなの決まってるじゃない!
「ほーんと、スイくんはかっこいいわあ!!」
そう言うと私の言葉に反応するスイくんが、これまた私の乙女心を擽る訳よ!!
『そんな事ないよ、けど***にそんな事言われて俺って幸せ者だな……』 「やーん!照れた顔もイケメーン!!」
スイくんの照れ顔を見て、寝転がりながら足をバタバタと動かしていると「なあ、」とエースの声が。
「あ、エース来てたの?」 「来てたの?じゃねぇよ。ずっと前から来てんのに全く気付かねぇんだもんな、***」 「だって、あまりにもスイくんがかっこよくてさあ!」 「………………………ゲームのキャラだろ、それ」
そう、スイくんとは恋愛バーチャルゲームの登場人物だ。エースがエロゲーにハマって構ってくれなかった時、やけくそで買った所謂乙ゲーに見事にハマってしまった。
「えーかっこいいじゃん!」 「んな男、実際に居たら気持ち悪ぃだろ」
ケッと呆れた顔をしながら私の横に座るエース。 スイくんを気持ち悪いとか失礼な!ムスッとしながらイベントを進めて行く。すると急に派手な音楽がいきなり鳴り出した。
「え!何!何っ!!」
1人焦っていると画面が明るく“Max”の文字。 どうやらスイくんの好感度がめでたくMaxになったようだ。
『***、俺の事を好きになったくれてありがとう……これからも俺の隣にいて欲しいんだ。だから……俺と結婚し“ブチッ”
スイくんが指輪を差し出したと思った瞬間、画面が真っ暗になった。何!停電っ!?キョロキョロ周りを見てみるがクーラーも動いてる。不思議に感じでいるとある事に気が付いた。
「エース?その手は何をしているのかな……?」 「………………………………ゲームの電源切った」
サラリと言うエースの胸元を掴んでガクガクと動かす。
「あんたねぇ!折角スイくんがプロポーズしてくれたのに何してくれてんのよっ!!」 「…………………うるせぇ」
眉間に皺を寄せボソリと言うエースにブチンと私の中の何かが切れた。
「イケメンにプロポーズされるってどんだけ貴重な事なのか分かってんの!?なのにあんた何してくれっ……んん!?」
私が必死にエースに訴えてるといきなり後頭部を掴まれエースにキスをされた。いきなりの事にビックリなうえに、なかなか終わる気配がない。
「んんー!んっ…んんっ!」
バンバンとエースの胸元を叩くとやっと唇が離れた。
「いきなりどうしたのよ……」
はあはあ、と息を整えながら聞くとまた眉間に皺を寄せているエースが喋りだした。
「スイくん、スイくんってうるせぇんだよ……しかも俺以外の男にプロポーズされて喜んでる***を見ていい気する訳ねぇだろ」
ムスッとしたまま言うエースに「やきもち?」って聞くと仏頂面で「悪ぃかよ」と一言。
「ふふ、ふーん。やきもちねぇ」 「***にプロポーズすんのは俺だろ。ゲームのキャラだろうが他の男が***にすんのは冗談でも許さねぇ」 「…………………そうですか」
サラリと何だかプロポーズされた気分になり顔が赤くなるのを、エースにバレたくなくて抱き付いた。
「…………なんだよ、笑いこらえてんのか」 「んーん!別にー」
私だけ意識してるみたいで恥ずかしいじゃん。
- 萌えるんだから仕方がない -
………ちょっと待って!私今日全然セーブしてない!!
ピッ(ゲーム機の電源を付ける音)
ああああああああ!!また途中から………私の努力が……… (あ、やべぇ…)あ、***喉乾かねぇ?何か飲み物買ってくるけど…… エースあんた覚悟しなさいよっ!! ごめん!ごめんって!
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