「ゲ……」
エース隊長に街デートに誘ったものの「体調が悪ぃからパス」とフラれて仕方なく1人で街をブラブラしていた。 するとあるお店から、よく見かけるテンガロンハットを被った人が女の人に腕を組まれながら出てきた。まあ、その女の人はナースさんだったんだけど。
「あーその、なんだ***、あのよ」 「……………」
別に私とエース隊長は付き合ってる訳でもないから、エース隊長が女の人と歩いてる事に文句を言うわけでもない。
けど“体調が悪い”と嘘を付いて断らなくても“先約がある”と言ってくれた方がましだった。 しかも私を見て「ゲ」って何ですか、「ゲ」って。
「***……?」 「すいません、私寄る所ありますんで」
何も聞きたくなくてその場から立ち去った。 別にこんなのいつもの事だ。エース隊長の周りにはいつもナースさん達が集まっている。 それでも諦めずにエース隊長と関わるようにして、何とか名前を覚えてもらい、今では冗談まで言える仲まできた。
けど、仲良くなりすぎてエース隊長は私の事を女と意識してくれない。ただの隊員としか見ていない。
「すいませーん!!このお酒、ボトルごともう1本お願いしまーすっ!!」
酒屋のマスターにお酒を貰いグビグビと飲み干していく。 あの後、寄る所なんて勿論なくてずっとお酒を飲んでいる。
「プハー!美味い!美味い!」 「そんなに美味しいの?」 「え?」
ドンッとボトルを置くと知らない男に話しかけられた。
「マスター、この子と同じのお願い」
そう言って私と同じお酒を飲んでいく男。
「うわー、なにこれ。度数たっか!こんなの良く飲めるね」 「………なに、男の癖にこれくらいのお酒飲めないの?」 「………………いやいや、結構あるってこれ」
初対面なのに気楽に話せる男に、お酒の力もあってかどんどん仲良くなっていく。
「てかあんた待ち合わせかなにか?」 「いーや、外でたまたま君が元気良く酒を飲んでるのが見えて飲みたくなって。良かったら飲み相手になってくれない?」
そう言ってボトルを差し出してくれる男。 …………モビーに帰ってもエース隊長に会いにくいしな……
「いいけど、その代わりもっと度数の高いの飲むからね」 「まじで?程々に頼むよ」
苦笑いで答える男にボトルを差し出し、私達は飲み出した。
「あー!もう限界!勘弁してっ!!」 「男に癖に弱いなあ!」 「君が強すぎるだけだよ……てかそろそろ帰らなくて大丈夫?」
フと時計を見ると0時を回ったいた…… そろそろ戻らないとな………明日の朝出航だし……
「そうだね、そろそろ帰「***!!」
帰ろうと席を立った時、酒屋の出口からエース隊長の大声が。うわ、凄い怒ってる………
冷や汗を流しながらエース隊長が近付いてくるのを見てることしか出来なかった。
「おい、お前。なんだよ」 「え?ただの通りすがりのナンパ…?」
男がケロリと言うとエース隊長が殴りかかろうとするので、急いで止める。
「エース隊長!騒ぎ起こしたらマルコ隊長に怒られますって!!」 「………………帰んぞ***」
舌打ちをしてドカドカと歩いていくエース隊長の後を急いで追いかける。酒屋を出る時、あの男を見てみると呑気に手を振っていた。
「ご、ごめんね!」 「全然!またね」
酒屋を出て早歩きのエース隊長を必死に追いかけていると「***」と呼ばれた。
「お前、遅くまで飲むなら連絡しろよ。心配すんだろ」 「……………………すいません」
なんだよ、エース隊長が嘘つかなかったら、あんなヤケ酒しなかったもん。と心の中で呟いていると「やる」とぶっきらぼうに紙袋を渡された。
「今日は悪かったな。どうしても***に内緒で買いてぇ物があってよ。」 「え、なんで……」 「今日でお前がモビーに乗って丁度1年だろ?その記念。女に何やっていいか分かんなくてナースと買いに行くつもりだったんだけど、今日しか予定合わなくてよ」
エース隊長から貰える物だったら何でも良かったのに。 けどエース隊長が私の為に悩んでくれたから、今回の事は多目にみようかな………
- 今回は特別 -
出航する前に、この島から仲間になる奴を紹介するよい あ、宜しくお願いしまーす って、昨日のムカつく野郎じゃねぇか!! また会ったねー!(ニコ) え、そーゆー展開ありなの??
------------------------------------------------- 切甘でも何でもなくてすいません(-_-;)
← / →
|