▽ サンジ
「どうしたの***ちゃん。口に合わなかった?」
「え!うんん!!すっごく美味しいよ!!」
なら良かったと、ニッコリ笑うサンジくん。おばあさんから薬を貰い、早速サンジくんに飲ませようと思ったものの、サンジくんに隙が全くない!!
何か飲み物に混ぜようと、すぐ思い付いたがキッチンに入るなり「***ちゃん何か飲む?」と言われあっという間にケーキまで出される始末。
くそう、流石サンジくん。
サンジくんに飲ませるのを諦めようかと思った時、外から「サンジー!メシー!!」とルフィの声。その声に「うっせぇ!」とサンジくんも返すが「メシ!メシ!メシーっ!」とより一層騒がしくなった。
「はあ……ごめんね、***ちゃん。ちょっとこれあいつ等に渡してくるよ」
「!!いーよ!いーよ!」
こ、これはチャンス!!サンジくんがキッチンを出た途端に飲み物を用意し、薬を入れる。
サンジくんの真逆のかあ……ふふ、楽しみ!
「1人にしてごめんね」
「大丈夫だよ!あ、サンジくん喉乾かない?良かったらサンジくんも飲む?」
「***ちゃんが用意してくれたやつなら、なんでも飲むよぉぉぉ!vV」
目をハートにさせ、勢いよく飲んでいくサンジくん。
あーサンジくんの真逆って何だろ。硬派?女の子苦手とか?ふふ、面白くなりそう!!
「サンジくん………?」
わくわくしながら、少し緊張しつつ声をかける。
「………何」
「……お、美味しかった?」
「別に普通」
そ、そっかって答えてみるものの、内心ちょっと傷付いてたり。サンジくんに冷たくされると何か悲しい……。
そ、そうか。いつも優しいからその真逆で冷たいのか!って1人で納得していると、サンジくんが「なあ」と声をかけてきた。
「いつまでここに居るつもり?用事ないなら出ていってくれない?俺、夕飯の仕度があって忙しい訳。」
「ご、ごめんなさい……」
「たく、女なのに気づかいとか出来ねぇんだな、あんた。ほんと女って自分の事ばっか。だから女は嫌いなんだよな。」
……………………………………そっちかぁぁぁぁ!!
妙に納得するもズバズバとサンジくんの言葉が胸に刺さる。
「なに、泣きそうな顔してんの。そーやって“自分は悪くないです”アピールしてるつもり?あんた女でも、一番めんどくさいタイプだね」
「な、泣きそうになってないし。そんなアピールしてないし」
「ふーん。そんな事言う女に限って何でも“可愛い”って言って“私何でも可愛いって言っちゃう女の子なんです”アピールするわ」
こ、このやろぉ………ああ言えばこう言いやがって…
段々悲しいとかよりも苛々してきた。これ以上関わっても苛々するだけだし、どっか行こう。
そう思ってドアを開けようとすると「言い返せれなくなって逃げるの?」何て笑いながら言ってくるサンジくんの頬を思いっきり叩いてしまった。
「………いって」
「…………あんたみたいなネチネチ言う男何て嫌い!」
思いっきりドアを締める。
あれが10時間続くとか悪夢だわ。いつもの優しいサンジくんのが好きだな………
ちょっと薬を飲ませなきゃ良かったって後悔した。
「つーかサンジくん、思いっきり叩いちゃった!」
- 10時間後 -
あ、あのーサンジくん…。ごめんね?叩いちゃって…痕残ってるね…
ああ!***ちゃんが気にする事なんて、なぁーんにもないよぉ!v
で、でも……
いいの!いいの!***ちゃんになら俺、蹴られてもいい!!
………………………あ、そう…