×××について語ろうか | ナノ


▽ ***の誕生日


 
険しい表情で食堂に集まった俺、マルコ、サッチ。
珍しく変な空気を放っている俺等にクルー達も近寄ってこない。実際、俺自身もなんでこうなっているのか見当も付かず焦っている。
もしかしてマルコが楽しみにしていたショートケーキの上に乗っていたでっけぇ苺を食べたのがバレたのか?とか、サッチが狙ってるナースにサッチの恥ずかしい話をしたのがバレたのか?心当たりがあり過ぎて冷や汗が流れ出し、手汗も滲んでくる。サッチが口が開いた瞬間、変な緊張が俺の背筋を伸ばす。

「そろそろ***ちゃんの誕生日だ。プレゼントは考えたか?」
「………は?」
「は?じゃねぇよ。エース、おめぇここで1つ良いトコ見せねぇとソラに***ちゃん取られるぜ?」
「なんでそこにソラが出てくんだよ!!てかプレゼント何てとっくに考えてる」
「ほー何にしたんだよい」

感心した表情で俺を見る2人にドヤ顔でちょっと待ってろと言い、ダッシュで部屋に戻りプレゼントを手に取り食堂へ戻る。すると2人も取りに行っていたのか最初無かった箱が置かれたいた。

「エースおっせぇぞ」
「わりぃわりぃ!ちゃんと持ってきたぜ」
「えらく自信満々だったが何にしたんだ?」

じゃーんとドヤ顔で言いながら2人にある物を見せるが、リアクションがいまいち。いまいちどころかサッチなんて明らかに引いている顔をしてやがる。

「エース……一応聞くがそれはなんだよい……」
「***の事を想って書いた手紙30枚!!」
「……お前さ…なんなの?馬鹿なの?馬鹿だよね?つーかしつけぇよ。そのネタ」
「ネタってなんだよ!ネタって!!」
「お前それ、前もやっただろ?」
「ほ、本当だよい」

変にどもりながら何かを懐に隠すマルコを俺とサッチが見逃す訳もない。素早くサッチがマルコの背後にまわり羽交い絞めにし、俺がその隙に懐に隠したものを取り出すと俺もサッチも言葉を失う。

“俺と忘れられない夜を過ごせる券”
“俺と素晴らしい夜を過ごせる券”
“俺と一線を超えれる券”

「……マルコ…おめぇ…」
「いい歳したおっさんが何しようとしてんだよ」

俺とサッチの引き具合に、流石に焦ったのか自分の青い炎で紙を一瞬にして燃やした。
あれ?マルコの能力ってそういうもんなのか?と疑問は出来たが、半泣きなのを見て思わず言葉を失った。

「俺だって!!たまにはボケたかったんだよい!!いいよな!おめぇ等は!!ボケれるキャラクターでよい!!俺は……!一番隊隊長とか、親父の右腕とか色々邪魔してボケれねぇのによいっ!!!!」

悔しそうに、でもどこか誇らしげにいうマルコに俺もサッチも言葉が出てこねぇ。

いやいやいや、え?マルコ今までも結構ボケてなかったか?つーか1つ言いてぇ事がある……

「親父の右手は俺だろ!!?なんでマルコなんだよっ!!」
「え!?そこ広げるの!!?」
「だって見てみろよ!マルコの奴、自分で言ってニヤけてやがる!!!」
「……確かにマルコのニヤけ面はきみがワリィが、そんな事よりまだ俺のプレゼント言ってねぇし、マルコなんてほっといて……」
「どうせサッチはケーキだろ!黙ってろ!!」

どうやら図星だったようで、部屋の隅で拗ね始めるサッチを無視しマルコを改めて見るが本当に気持ちわりぃ。

「つーかいつまで、その顔でいるんだよ!!」

段々腹が立ち、マルコのニヤけ面に一発パンチでも入れようとした時、荒々しく食堂の扉が開き怒鳴り声が響く。

「あんた達少しは静かに出来ないの!?」

眉間にしわを寄せた***が真っ先に俺等の方を見ながら歩いてくる。
それはもう鬼の形相で、一歩一歩近付いてくる***から覇王色の覇気でも放たれてんのか?と言いたくなるくれぇ変な圧が感じる。

あまりにも***から目を逸らそうとした時、ある事に気が付く。
いつもはアクセサリー類を一切付けない***の首元がキラリと光る。よく見ると海をモチーフにしたネックレスを付けている。

「おい、***それどうしたんだ?」
「あーこれ?可愛いでしょ?実はねー…」
「***さん急に走り出してどうしたんですか?」

***の後ろから顔を出し喋るのは気に食わねぇあいつ。そうソラだ。
俺がムサイおっさん共と居る間、こいつは***と一緒にいた事も腹立つのに***の言葉で余計に俺の機嫌は最悪になる。

「実はこれソラが誕生日プレゼントでくれたんだー。こういうの付けるのもたまにはいいもんだね」
「本当は当日に渡したかったんですが、都合がつかなくて今日渡しに来たんですけど喜んで貰えて良かった!!
「あっそ。良かったな」

嬉しそうな表情をしている***を見て苛々する。
俺が***にさせる筈だったのに、他の男がしていると思うと***本人にまで当たってしまう。
まあ、俺が***に当たった所でどうなるかなんて分かっているんだけどな。

「自分から聞いといてその態度は何?」
「ごめんなさい。間違えました」

余りの怖さに即謝るが女王様には関係ないようで、こっ酷くシバかれた。




- ***の誕生日 -



……エースとソラの差はあれだろうな。女心が全く分かってねぇからなあ…
そうだな、あいつは直ぐネタに走るからな……。その結果ソラの好感度は右肩上がりだよい。
まあ、***ちゃんもなんだかんだ言ってエースから貰ったもんは喜ぶだろうけどな…

((それを言うとエースが調子に乗るからぜってぇ言わねぇけどな))



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