×××について語ろうか | ナノ


▽ コスプレ




あのバカみたいなイベントのおかげで、むさいおっさん達に可愛い彼女が出来たみたいだ。甲板だろうがナース室だろうが、イチャつく奴等が増えた。


まあイベント事で出来たカップルが続くのは、ほんの一握りの奴等だから、その内減るだろう。そう思いつつも平和なんだな、と安心して本のページをめくる。潮風を感じながら本を楽しんでいるとわざとらしいくらい高い声のトーンの悲鳴…に近いような歓声が聞こえる。


「キャー!!」
「マルコ隊長達何その格好!!」
「…うるせぇよい」
「どう?似合う?」
「サッチ隊長素敵ーっ!」
「エース隊長も可愛いー!」
「カッコイイって言え!カッコイイと!!」


歓声の先に視線を送ると人だかりが出来ていて、どうやらトリオが中心に居るようだ。ナース達のキャピキャピした声とサッチの調子に乗っている声が響く。
………関わらないようにしよう。そう決意をし、本とさっきまで座っていた椅子を畳みこっそりと立ち去ろうとした時、エースの少し嬉しそうな声が私を見つける。


「***みっけたぞ!!」


しまった!!そう思いつつ、その声が近付いて来る前に駆け出すが勝てる訳もなく直ぐに追いつかれる。バカみたいに強い力で腕を掴むエースに思わず舌打ちをする。


「あんた少しは加減しな………何それ。」
「あ?似合うだろ??」


振り返るとアホみたいな眩しい笑顔で自慢げに仁王立ちするエース。
その格好は何故かメガネをかけ、いつぞやかに着ていた似合わないスーツを着ていた。


「エース先生と呼んでもいいぜ?」
「いや、呼ばないし」


なんかドヤ顔で言うエースにイラっとし即答で答えると、「即答…」とブツブツと言っているが放置して自分の部屋へ戻ろうとするが、残りの変態共に阻止される。


「エースはともかく、俺はどうよ?」
「まあ、エースよりかは俺達の方が完璧に着こなしてるからな。完璧だろい?」


そう腕を組みながら私の目の前に居る2人は、普段と違う格好をしていた。
マルコは胡散臭い軍服、サッチは着物を着ていた。


「なにそれ。誰得な訳」
「皆の目の保養になるでしょ?」
「これで***も俺のいう事聞く気になるだろい?」
「私は目の保養にならないし、言う事聞く気にも全くならない」


ハッキリそう告げるとエース同様に落ち込む2人だが、その後ろでナース達がキャーキャー言いながら「そんな事ないわよぉ」と甘ったるい声を出している。
あんた等自分の彼氏はどうした。遠くの方で悔しそうに見てるけど大丈夫なの?
そんな事を言ったって彼女達には無意味だろう。それは兎も角、今回は彼女達にこいつ等の相手を任せよう。


ナース達に囲まれてるエース達をすり抜けて行こうとするが、ナース達の間から手が伸び逃がさないと言わんばかりの力強さで私の腕をまた掴んでくる。


「バレンタイン時、***達がコスプレしてただろ?だから俺等もコスプレしようぜ!って事になってよ!」
「あっ…そう……」


ナース達をかき分けて楽しそうに話すエースに何を言っていいのか分からず、呆れて返事をするが本人達は楽しそうにしているからいいか、と納得し少しこの茶番に付き合うことにした。


こんな事ではしゃげるなんて、ほんと平和ね…









- コスプレ -






なに笑ってんだよ***!!
俺等のかっこよさに照れ笑いしてんだろ?
まあ、そうなっても仕方がないよねぇ♪ちなみに***ちゃんは誰が一番好み!?
………てかあんた等お返しこんな下らないやつ?
(((くだっ…下らない……)))


prev / next

[ back to top ]


「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -