▽ 家出
口笛を吹きながらスキップする俺。
朝から***の部屋に行き距離を近づけようという作戦だ!勿論心の距離をなっ!
ドンドンと***の部屋のドアを叩く。
が、反応がない。けど焦らない俺。何故なら慣れてるから。よくこうやって遊びに来ても無視をされる事がある。が、負けずに部屋へ入り入り浸って怒られるのがいつもの落ちだけどな。
ゴホンッと咳をし平然と装いながらドアを開ける。
「うーっす!***!一緒にメシ食いに行かねぇ……あれ?」
ドアを開け下着姿の寝ぼけた***が居ねぇかなって思っていた俺は力が抜けた。部屋の中には誰も居なかったからだ。
なんだよ、もうメシでも食いに行ってんのか?ドキドキして損したぜ。そう思いながら俺も食堂へと向かった所まではまだ良かった。
「なんで今日1回も***に会えねぇんだよ…」
朝から***の姿を探すものの、一向に見つからない。いくらデケェモビーつっても俺はほぼ毎日***の側に居れるのは***の行動パターンはバッチリ分かっているから。元々行動範囲も小さかったしな。
なのに今日は1回も会えねぇ。
なかなか会えねぇ事にイライラしていると食堂の方からマルコとサッチの大声で話す声が聞こえた。
***の事聞くだけ聞いてみるか……
「マルコーサッチー聞きてぇ事があるんだけどよー」
「あ?夜はまだ作ってねぇぞ?ちなみに献立も決まってねぇ!!」
「何でだよ。腹減ってんだけど!つか何作るかくれぇ考えとけよ」
「エースはちなみに何食いてぇんだ」
「そりゃあ、勿論白ひげ紅一点***をっ…て、そうそう***知らね?」
「何だその思い出し方…お前の頭ん中は***一色かよい。」
「***の事以外考える事がねぇ!!」
自身気に言うとマルコが「こいつ馬鹿だ」とか言ってるけど気にしねぇ。本当の事だしな!!
うんうん、と1人うなづいているとサッチが「***ちゃんな……」と悲しげな顔をしだした。
「んだよサッチ。何かあったのか?」
「残念だが、エース。***ちゃんはモビーを出て行ったぜ…?」
「は?……なんも聞いてねぇぞ?」
「………そりゃあ言えねぇだろい。モビーを出る原因がお前だからな、エース。」
マルコの言葉に思わず何も言えなくなる。
俺が原因?なんでだ?全く思い付かねぇ……
俺が考えてるのに気が付いたサッチが言い辛そうに話し出した。
「お前の変態行為に嫌気がさしたらしい」
「変態行為って…マルコ達もしてるじゃねぇか!」
「あいつは…***は可愛がっていたお前にされるのを一番嫌がってたんだよい」
「んだよそれ……***ならハッキリ言えるだろ…!?だからって……出て行く事もねぇじゃねぇか!!俺はまだちゃんと***に気持ちを伝えてねぇし、夢だって叶えてねぇ!!なのに出て行くなんて納得できるかっ!!!」
「そんな事言ったって***ちゃんはもう…」
「うるせぇ!!どこに行こうが関係ねぇ!俺が探しだ「何騒いでんのよ」……へ?」
思わずビックリして間抜けが声が出た。
信じられない気持ちで振り返ると、そこには***がいた。
「あんた何騒いでるのよ」
「***……モビー出て行ったんじゃねぇのか?」
「は?何言ってんの?用事があってブリューの所に行ってたのよ」
なんだ、そうか……
安心して声も出せずにその場に座り込んだ。
なんだ………出て行った訳じゃねぇのか………良かった……
俺が珍しく騒がないのが不思議だったのか***が目の前に座り込んできた。
「なに、どうしたの珍しい。今度はエースが熱でも出した訳?」
「良かった……おかえり……」
***の言葉に返す余裕もわりに思わず目の前の***を引き寄せ抱き締めた。***が居る…!
嬉しくてニヤけていると俺の嫌いなあいつの声が。
「いつまで汚い手で***さんに触ってんスか」
そう言って俺を突き飛ばし***を自分の方へ引き寄せているソラの姿が。
「俺また1週間ほど居る事になったんでよろしくお願いしますね。エース隊長?」
***が出て行った訳じゃねぇと知って安心したのも束の間だった。俺の苦労はこれからみたいだ。
- 家出 -
つーかマルコ達何騙してんだよ!!!
いやー、若いねぇエース君!!
全く暑苦しいよい
うっせ!!良いからメシ作れよ!!
(何か今回私空気じゃない?)
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