▽ お風呂事情
「いっやー!なんか堪んないよな!」
「あ、あの壁の向こうに***が居るんだよな!!?」
「たく、そんなに信じれねぇなら覗けばいいだろい?」
「あ、そうだな!!」
なんて会話の後すぐに「うし、せーのっ」なんて声がした方に向かって「ふざけんな」とフルスイングで石鹸を投げつけると、どうやらエースに当たったらしい。
「エース!!死ぬな!!」
「お前、まだ夢を叶えてねぇだろい!!?そのまま死んでいいのか!?まだ…まだ…童貞を捨ててねぇだろい!!」
「ハッ!!!そうだ俺は***とヤるって夢が…!」
「そんな下らねぇ夢今すぐ捨てろ変態が。」
なんて言っても「そんな、変態とか褒めんなよ〜」と声を揃える3人。いや、褒めてないから。
けどこれ以上関わりたくないので無視をして体を洗う事にした。
そう今、皆お風呂場にいる。
しかもただの板で区切られた大浴場に。
事の発端は昨日、命知らずの海賊船がモビーに向かって砲弾を撃ってきた。それがたまたま女のお風呂場に直撃。
乗組員が多いと言っても女はナースと私ぐらい。海賊船はすぐに倒したものの小さなお風呂場だったから木っ端微塵。大工も気張って直せばいいのに、とりあえず直るまで、と大浴場を区切った。
これを気にナースや私が入ってるのを知ってて、野郎共が同じタイミングでお風呂に入ってる。特にこいつ等3人。他の奴等と違って覗こうとするのが、またタチが悪い。
大工もさっさとお風呂直しなさいよ!
仕事をしない大工に腹を立てつつ体をゴシゴシと洗っていると、復活した末っ子が間抜けな声で話しかけてくる。
「なあー、***も俺の息子見てぇだろ?」
「んな、ショッボイ奴願い下げだから」
「そんな事ねぇって!俺の息子優等生!!」
「それのどこが優等生だっつうんだよい!俺のを見てみろ!このデカさ!」
「いや、マルコのはいかにも使い古した感が出てるって。俺様のサッチJr.のがはるかに「うっさいわ!あんた等!!」
最初はスルーしようかと思っていたが、我慢出来ずに思わず突っ込んでしまった。
しまったと思った時には、もう遅く変態共が食いついてくる。
「じゃあ、***ちゃんが見定めてよ!」
「お、それいいな!」
「今からそっち行くから頼むよい」
「うっせー。来んな。」
こいつ等と話してると時間の無駄だわ。
体にお湯をかけ体に付いた泡を流し落とし、タオルを巻きお風呂から出ようとした時ドンッとぶつかってしまった。
「あ、ごめんね」
「もう出るのかよい」
「長居したくないからね」
「確かに俺等能力者も長風呂はダメだしな!」
「じゃ、皆出ようか」
なんて私の横に平然と居る変態共を浴槽へと蹴り飛ばした。
「ふざけんなよ、お前等ぁぁぁ!!!」
バシャーンと大きな音と水しぶきが飛ぶ中、お風呂から出て大工を探す事にした。
- お風呂事情 -
大工!!さっさとお風呂直しなさいよ!!!
えー、もう少しこのままでも良いじゃねぇか
あ?何つった?ぶん殴るわよ?
すいません。すぐ直します……
ちょびっと***の素肌見えた!ちょびっと!
あんだけで喜ぶなよ、エース……
可哀想になるよい……
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