あおなぐざ | ナノ

▽ やる気を出させる天才




はんとこの世からテストなんて無くなればいいのに。
目の前のプリントを嫌々ながらも進める。自習のおかげで沢山のテスト範囲のプリントをくれたから。



「全く進んでねぇじゃねぇか」
『今からメキメキするんです!メキメキちゃんです!!』
「***……おめぇ頭大丈夫か?」
『あーもう!邪魔するなら他の子勉強見て下さいよっ!』


へいへいと言いながら歩き出すエース先生。
早速女子生徒に質問され答えてるようだ。うん、横顔もかっこいいな。1人ニヤついているどガラリとドアが開いた。


「ちゃんと勉強させてるだろうな、エース」
「なんで入った途端俺の事なんだよ!」
「おめぇは一緒に騒ぎそうだからだ」


サラリと言って何かのプリントを配り出すマルコ先生。げ、またプリント?前の子から回されたプリントを嫌々見てみると、そこに書かれてるのは自分が考えてたのとは違うものだった。


『進路希望調査…』


デカデカと書かれてるその文字を見て憂鬱になる。


「まあ、3年になりゃあ、ある程度どこの大学や会社とかは決まってんだろ。1週間以内に出せよい」


マルコ先生の言葉に冷や汗が出る。
だって3年になっても、何も決まってないから。2年の進路希望調査には、とりあえず就職希望って先生に言ったっけ……


はあとため息をつきながらルフィに『ルフィはどうするの?』と聞くと満面の笑みで「総理大臣!」と答えられて何も言えなかったのは秘密だけど。


うーんと唸っていると「お嫁さんって書いとけー」という言葉が。その声を聞いた瞬間、顔が真っ赤になる。だってその声の持ち主がエース先生だったから。


『え?は!?ええ!!?』
「女つーのはそーゆーもんだろ?好きな男のお嫁さんにー!ってよ!」


と言うエース先生とは反対に笑い出すクラスメート達。


「先生!もう高校生なんだからさ!」
「そうそう!確かに憧れるけど今は書く時と違うよねー!」


なんて言葉にさっきまで赤かった顔も元に戻る。
そ、そりゃあそうだ。一気に現実に戻された気がしつつプリントを鞄に入れ元々していたプリントを進めた。


チャイムが鳴るのと同時にスマフォが震える。
画面を見て見るとメールが来ていた。開くとエース先生で周りをキョロキョロ見渡すも姿は見えない。


ドキドキしながらメールを開き画面を見た瞬間、自分がニヤけているのが分かる。


【***の将来は俺の嫁だろー?】


その文を見ただけで暴れたくなるくらい嬉しく思っていると、下にまだ続きがあるのに気付いた。


【テスト、全部学年平均点より上だったら美味いメシ連れてってやる!デートな!!】


我慢出来ずウッシャー!!と気合いと共に両腕を上へ突き上げる。が、直ぐに周りから冷たい目で見られてるのに気付きトイレに行くフリをした。





- やる気を出させる天才 -




絶対平均点より上を出すっ!!
なに急にやる気出して…
あ、ナミ!!勉強教えてっ!
……いいけど30分1000円よ?
え………?


prev / next

[ back to top ]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -