あおなぐざ | ナノ

▽ 勝手にニヤけるんです





修学旅行最終日、流石にエース先生も忙しそうでなかなか話せなかった。まあ、先生と生徒だから話せる機会はあったけど。
帰りのバスの中で色んな意味でいい思い出になったな、と1人思っていると「良かったな」と笑顔のゾロ。


「顔緩みっぱなしだぞ」
『え、ほんと!?』
「すっげぇ間抜けっ面。ブサイク」
『ちょ、いくらなんでも言いすぎでしょ!』


悪りぃ悪りぃと笑顔で返すゾロに私もつられて笑う。
迷子になった時、ゾロが探しに来てくれたっけ。一番迷子になりやすい癖に。


『ゾロ、ありがとね』
「あ?何がだよ」
『迷子になった時探しに来てくれて!』
「……んなもん、ダチなら当たり前だろ」


寝ると言って目を閉じるゾロに心の中でもう一度お礼を言っていると「人数足りてっかー?」とエース先生の声が。顔を上に上げるとエース先生と目が合った。


「***の班、人数大丈夫か?」
『だ、大丈夫ですよ!』


なんだか普通の会話ですらドキドキするのは重症だな、と思っていると「そうかそうか」とエース先生に頭をクシャクシャされた


『ちょ、先生!髪の毛クチャクチャになっちゃう…!』


クシャクシャする手を止めようとすると膝の上に小さな紙袋が落ちてきた。
思わず『え?』とビックリしてエース先生を見ると笑顔でシィーっと指を口の前に出していた。
そのまま後ろの席へ向かい人数確認をしに行くエース先生。エース先生から貰った紙袋を開けるとピンクの櫛が入っていた。


『これ……あの時の……』


エース先生腕を掴まれた時に迷っていた櫛が入っていた。
確か青かピンクか迷ってたやつだ…
あの時エース先生は「ピンク」って言ってくれたっけ
ニヤついていると「緩み過ぎだ」とまたゾロにからかわれたけど幸せなんだから仕方がないかな?







- 勝手にニヤけるんです -




ちょっと***!何その気持ち悪い顔!!!
ナミ……もっと優しく言ってよ……
優しくって言ったってほんと気持ち悪いのよ!?ほら鏡!!!
(ジー)気持ち悪っ!!!!


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