▽ それは突然の事でした
「さーて今日の自由行動は買いまくるわよー!」
『お、おーう!』
ナミの掛け声にお腹を擦りながら答える。
う、うぷ……吐きそう……昨日やけ食いし過ぎたかな…1人後悔していると呆れ顔のナミ。
「たく、あんた昨日最後にはルフィと食べ比べしてたでしょ?あの馬鹿と似たような量食べてたら、そうなるわよ」
『だって…何か悔しかったんだもん…』
エース先生に、あんな事言われたらやけ食いもしますよ、そりゃあ!!結構頑張ってたつもりなんだけどな……
はあ、とため息をつきながらナミと買い物へ向かった。
お目当ての物を見つけてからのナミは、それはもう凄くて…
「ちょっとお兄さん!!まけなさいよっ!」
「いや、お姉さんの金額だと半額以下になっちゃうから勘弁して〜」
半泣きになりながら、ナミの値切りを阻止しようとするお兄さんに「御愁傷様」と心の中で呟きながら、私も自分の買い物をし出した。
『うーん…どっちの色にしようかなあ…』
可愛い櫛を見つけピンクか青か迷う。どっちも可愛いから迷う。
どたらも派手過ぎない柄で、どちらも捨てがたい。
「***は、やっぱピンクだろ」
その声にビックリしてふりむく。だって……エース先生が居たから。
昨日の今日で、いくら強気で言ったとしても気まずい。かと言って無視も出来ない。何も言わない私にエース先生は気にしていないみたい。
「おいナミ!***借りてくぞっ!」
『へっ!?』
エース先生に腕を掴まれ驚いていると、エース先生が走り出した。ナミが後ろから「ツケだからね〜」と笑顔で手を振っていた。
『はあ、はあ…エース先生っ!』
随分走りどこにでもあるような公園でエース先生の足がようやく止まった。
私は息切れが凄いのにエース先生は全く平気そう。
『はあ…はあ……久々に全力で走ったかも…』
持っていたハンカチで軽く汗を拭いていると、視界が暗くなった。
「***に話があるんだ」
そう言っているエース先生に私は抱き締められていた
- それは突然の事でした -
(え?何が起こってるの?)
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