あおなぐざ | ナノ

▽ 大人には大人の悩みがある




ただのヤキモチ。
いい年した男が高校生相手に本気でヤキモチ妬いて、好きな女傷付けて……


「なーにやってんだかな…」
「ほんとにな。先生のせいできっちりフラれたじゃねぇか」
「…………それはすまねぇって」


ゾロに軽く睨まれながらも、ため息をつく。
そんな俺を見てかゾロが「小せぇ頃」とボソッと話だした。


「小せぇ頃、***が他の小学校の奴等に苛められた事があった」
「…………あん時か?」
「俺とルフィで***を助けに行ったけどボッコボコにされて、そんな俺等を見て***は余計泣きじゃくりやがってよ」


ゾロにしては珍しい笑顔で笑いながら言うのを見て、ほんとに***に惚れてんだな、って実感した。


「そん時先生が簡単に助けるのに腹も立ったが、助けれなかった自分自身にもすげぇ腹が立った。だから俺は***の笑顔を守りてぇから強くなるって決めた。あいつが幸せなら俺はいいんだよ」
「…………………ほんとお前って男前だよな」
「うるせー。………俺は***が笑ってりゃぁ、満足なんだよ。俺じゃあ、***を笑顔に出来ても幸せには出来ねぇ。…………けど先生なら出来んだろ?ウジウジしてんなよ」
「馬鹿野郎………大人には色々あんだよ……」


出来れば俺が***を幸せにしてぇ。
笑顔にしてぇし、出来る事なら俺にしか笑顔も見せて欲しくねぇ。けど、歳の差云々の問題じゃねぇ。“先生”と“生徒”さすがにこれはまずいだろ……


はあ、とまたため息を出すと「ヘタレだな」と憎たらしい声が。振り返るとニヤリと笑うローの姿。


「先生、俺はあんたがそうやってウジウジしてくれる方がありがてぇ。***が弱ってる隙に気持ちに入り込めるしな」
「今まで空気みたいな扱いだった奴が、偉そうな事言ってんなよ…」
「あ?まあ、せいぜい悩んでろよヘタレ先公」
「ほんっと腹立つな!お前ぇ!何でモテるかわかんねぇよ!!」
「そんなもん顔がいいからに決まってるからだろ?」


ドヤ顔で言うローにイラッとしながらも、こうやって何気なしに応援してくれてるんだろうなって思えた。



ゾロがあんな事を言うのも俺がウジウジ悩んでいる背中を押すためだろう。
ローが憎まれ口を叩くのも俺を煽って素直にさせようとしてるんだろう。………………多分。


たく、生徒にこんな事されてちゃあ、先生として終わってるよな。笑えてくるぜ、全く


「ありがとな、少し元気出たわ」
「お礼は酒でいいぞ」
「後、女な」
「ばーか。お前ぇ等少しはガキくせぇ事言えよ」


でもこいつ等のおかげで少し気持ちが軽くなった気がした。






- 大人には大人の悩みがある -



ぶえっくしゅーん!!
***……….あんた……もう少し可愛いクシャミしなさいよ
………うるさいよ……んー風邪かなあ…モグモグモグモグ
後、それどんだけ食べる気…?
気がすむまで!!(エース先生のばーか。やけ食いしてやるっ)




(どーやって***に謝ろうかなあ……)


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