▽ 小さな頃を思い出した
振り替えると1人というお決まりの出来事が起きた今、そう焦ってなかったり。
『ま、連絡すればすぐ合流できるしな!』
鞄からスマフォを出し電話帳からナミを探しているとチョンチョンと肩を叩かれた。何だろうと振り替えると、見た目からしてチャラそうな男の人が2人。
「どうしたのー?迷子ー?」
「可愛いよねー!あれ?どうしたの?具合でも悪い?」
「ほんと顔色悪いけど、どっかで休む?」
いや、顔色が悪いんじゃなくて呆れてるんだよ。
とも言える訳でもなく『大丈夫ですー』と言ってその場を去ろうとしたら、目の前に男、後ろにも男。
「まあまあ、折角知り合えたんだしさ!」
「とりあえずカフェでも入る?」
『ほんと大丈夫なんで。』
イラッとしつつそう答えるものの聞く耳持たずの2人。
どう逃げようかと考えていると「***っ!」と誰かに呼ばれた。
『え、ゾロ?』
そう、凄い怖い顔をしたゾロがこちらに歩いてきてた。
ふと、男の人達を見てみると冷や汗を流している。気持ちは分かる。私も怖いもん
「お前ぇ等なんだ」
「え!いや!」
「ちょっと道を聞いてただけですよ!」
そそくさと逃げていく男の人達を見ているとゾロに怒られた。
「お前まで迷子になったら元もこもねぇだろうが!」
『ごめんって!そんなに怒らないでよ…』
「…………たく、戻るぞ」
さっさと歩いて行くゾロについて行った。
心配かけちゃったな…反省しながら歩いていると、ある事に気がついた。
『ゾロ』
「なんだ」
『ここ何処?』
周りを見てみると、ホテルがあった所より何となく正反対の方へ行っているような…
私の気持ちが伝わったのか何も言わないゾロ。
相変わらず人が多いのは変わりはなく、私どゾロの間におばちゃん達の団体が歩いていく。
『うわっ』
「おい!***!」
ゾロが手を差し出してくれたのを、何とか掴む。
「人が多いな………」
『とりあえずナミに電話してみるよ』
そう言ってナミに電話をかけながら歩き出すと、ゾロの手が私の手を掴んできた。
「歩きながら電話すると危ねぇだろが。」
『え、あ、………うん』
お互いぎこちないのは、手を繋ぐなんて初めてだから。
小さな頃ルフィとはよく手を繋いでいたが、その頃からゾロは繋いでくれなかった。
私とルフィは手をブンブン振りながら歩いて、ゾロはその横をスタスタと歩いていた。小さいながらも『大人だな』なんて思っていたのを覚えている。
昔の事を思い出しながら、繋がったナミに居場所を聞いた。
『××ってお店に今は皆居るって』
「そうか、とりあえず店の奴にでも場所聞くか」
お店の人に聞いて、やっぱり今のいる場所とは正反対でゾロと少し笑いながら歩いていると、また誰かに名前を呼ばれた。
『エース先生?』
振り替えると汗だくのエース先生がいた。
- 小さな頃を思い出した -
(やっば、怒られる……!!)
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