▽ 準備するのも楽しい
「んー、どうしようかしら」
『…………まだー?』
今日はナミと修学旅行にむけて買い物に来ている。
女の子の買い物は長いと言うが、ほんと長いよね!?今だってかれこれ20分くらいナミがどの下着を買おうか迷っている。
「あんたも勝負下着でも買ったら?」
『いや、必要ないでしょ……』
「馬鹿ねぇ。そこで手を抜くといざって時知らないわよ?」
『いざって事起きる気がしないんだけど』
とりあえず買え!とナミに言われ、念のため買っておくことにした。まあ、余分にあって困らないしね…
ひと休みする為にカフェでも寄ろうとしたら、生活用品の売り場に見覚えのある後ろ姿が2人。
「おい!ルフィ!!これもいるんじゃねぇか!?」
「エース!見ろこの歯ブラシ!サニーっていうライオンらしい!」
「馬鹿野郎。それよりこっちの白鯨のモビーのが可愛いだろ!?」
男2人、何歯ブラシで騒いでるの……
少し冷たい目で見ていると、気が付いたみたいだ。
「ナミと***も買い物か?」
『ま、まあね…』
「***聞いてくれよ。エースの奴、このサニーよりモビーのが可愛いって言うんだぜ!?」
「モビーのが可愛いと思うよな!?」
「………どっちでもいいわよ…」
『ほんとにね……てかエース先生張り切りすぎ…』
私がそう言うとエース先生がデレデレした顔で話し出した。
「なんつっても可愛い可愛いルフィとの旅行だぜ!?そりゃあ、張り切るってもんだろ!?」
『まあ、間違ってはないけど修学旅行でしょ…』
「どんだけブラコン……」
少し引いているとエース先生がゴソゴソと紙袋を漁っていた。どうしたんだろう、と様子を見ていると紙袋から取り出したのは最新のデジカメ。
「デジカメも買ったしよ、皆で沢山写真撮ろうぜ!」
「…………私達より楽しみにしてるわね…」
『ほんとにね……それほどルフィとの旅行が楽しみなのよ…』
なんてニコニコ笑うエース先生を見て私とナミがこそこそと話していると「ばーか」とエース先生の一言。
「まあ、それもあるが先生になって初めてのでけぇ行事だからよっ!楽しみで仕方がねぇ!!」
なんて少年みたいに笑うエース先生を見てこっちまでつられて笑ってしまった。
「いっぱい思い出作ろぉぜ!」
『………そうですね』
私も言い方変えたら エース先生と旅行みたいなもんだよね……
そんな事を考えると早く修学旅行にならないかと心の底から思った。
- 準備するのも楽しい -
あ、後限定肉まんと饅頭、鍋にラーメンに………ヤッベェ食い放題だな、こりゃあ!!
…………………いや、先生?エース先生はそんなに自由時間無いと思うんですけど……
え!なんでだよ!!?
いや……先生だもん……………
……………………あ…
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