▽ もう勘弁して
エース先生はほんとに3日後、笑顔で教育実習を終えた。
エース先生が居なくなってから、あっという間に時間が過ぎた。と、言うより毎日同じ事の繰り返し。
ただ授業を受け、帰るだけの繰り返し。面白い事も何もなく、すぐ春休みになった。
春休みになっても部屋にこもり気味だった私に、ナミが気を使いルフィの家に泊まる計画を立ててくれて泊まりにいったが、エース先生の姿は無かった。
ルフィに頼んでエース先生が使っていた部屋を見せてもらうと荷物はほとんどなくなっていた。
ほんとに居なくなったんだ。この時やっと頭が理解した。
それまでは「何かの冗談だ」「エース先生は風邪をひいたんだ」と都合の良いように思い、エース先生が居なくなった事を認めなかった。
エース先生に遮られたとしても、しっかり気持ちを伝えたかったという後悔ともう会えないという悲しさで春休みは終えた。
新学期、クラス替えのないこの学校は担任が誰かで盛り上がっていた。
けど私にとってはエース先生が居なかったら、全て同じ。
そんな事を思っていると扉が開いた。
「たく、何で俺がまたおめぇ等の担任なんだよい」
「げ、マルコ!」
「“先生”を付けろと何回言ったら分かるんだよい、モンキー・D・ルフィ…」
何てクラスのやり取りをボーっと見る。
少し前まではマルコ先生の隣にエース先生も居たのに…
そんな事を考えると、エース先生が居ないという寂しさが増して泣きそうになった。
いけない、いけない…これ以上皆に迷惑かけれない…
ゴシゴシと目を擦り涙を拭いた。もう一度マルコ先生の方を見るとエース先生の姿が見えた。
うわ………幻覚まで見えるとか末期だな…
少し自分自身に引いていると今度は「まだ春休みボケか?***!」何てエース先生の幻聴まで。
『……ナミ、ちょっと殴ってくれない?幻覚と幻聴が…』
「は?なにそれ」
『いいから!何か私可笑しいみたい!一発気合い入れる為にもお願い!!』
隣の席のナミに頼んで居ると頭に軽く叩かれた振動が。あれ?マルコ先生にしては優しいな、なんて思って前を見ると会いたかった人が。
「3年になったんだし、そろそろ落ち着けよなー!(笑)」
『……………………え?何で…』
そうエース先生が笑顔で私の頭をくしゃくしゃと撫でてくる。エース先生が……目の前に………
涙が出そうになるが、それ以上に驚きのが大きかった。
『てか何で居るの!?』
「え?俺ここの先生になったもーん」
少しおどけて言うエース先生。
『え、それはもしかして教育実習終わる前から決まってたり…』
「しました!黙ってた方がおもれぇかなぁってよ!」
『………ふざけんなよ、馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!
』
- もう勘弁して -
(なにそれ……私のここ数週間の悩みは一体…)
ドッキリだーい成功ー!
ちょっと先生殴らせて!!
おめぇ等少しは成長してくれよい…
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管理人の都合よく書いている為、教員免許の取り方とか分からないまま書いています。
そこは理解してもらえると嬉しいです。
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