▽ バレンタインって緊張する
3学期、テストと来たらやっぱり2月はバレンタインだよね!!え?展開が早い?そうだとしても2月なんですっ!
『うーん…』
「どうしたのよ」
『いや、今年のバレンタインどうしようかなと』
「あいつ等は食べれたらいい連中よ?」
『いや、まあ、そうなんだけどさあ……』
ゴニョゴニョと言葉を詰まらせていると、ナミが分かったみたいでふーんとニヤニヤし始めた。
「なるほどねぇ。そうよねぇ…」
『あんまりニヤニヤしながら、こっち見ないでよ…』
「ま、ルフィのお兄さんなんだからルフィと一緒で食べれたら喜ぶと思うわよ?」
そう、エース先生にチョコを渡そうと思っている。最初は渡そうか迷ったけど、“勉強を見てくれたお礼”とこじつけて渡そうと考えた。
「それに***は、まあまあお菓子作り上手いんだし大丈夫よ」
『まあまあっていいの?それ………』
クスクスと笑いながら「頑張って」と言って教室を出ていくナミ。頑張ってと言われてもちゃんと渡せるかな……
不安になりながらもバレンタイン当日になった。いつ渡そうか考えて居るとルフィがヨダレを垂らして私を見てくる。
『はい、ルフィ』
「いいのか!?」
『いいよ!友チョコだけどねぇ!』
「友チョコ?俺は食えたらいいぞ!」
そう言ってもう袋を開けて食べ出すルフィ。うめーって言ってくれてるからいいか。後のメンバーにやろうと探していると、両手に紙袋を持ったローが居た。
「後は***のだけだ」
『そんだけ貰ってたらいらなくない?』
「………んな事ねぇ。」
少し不機嫌気味に言うロー。何ムッてしてんだろ?と不思議に思いつつチョコを渡した。
この後もいつものメンバーに渡しナミにも渡した。
「私にもくれるの?」
『勿論!』
「私もはい、これ」
『わ、ナミから貰えるとは思わなかった!』
「私だって少しは日頃感謝してるからね。その気持ち」
少しだけなの?って笑いながら言っているとナミに「で、エース先生には渡したの?」と言われ思わず固まった。
「その様子じゃまだみたいね」
『いや、だってタイミングが……』
「たく、ゴチャゴチャ言ってないで今から渡しにいけ!」
ナミに怒られながら教室を出る。そんな事言ったってさあ……
「はい、エースくん!」
「エースくんあたしのもあげるぅ」
「私もぉ」
先輩方に囲まれてるエース先生。「さんきゅー」って嬉しそうな顔で受け取っていた。いや、先輩方気合い入ってんなあ……何、あのラッピングの懲りよう……
いや、私も頑張ってラッピングしたけどさ……何か渡せる自信が無くなってきた……
先輩達に囲まれるエース先生を見ても楽しくないし教室に戻ろうとすると、また首の辺りを引っ張られた。
『うげっ』
「なんだよその声(笑)」
『エ、エース先生!?』
ようと笑顔で言うエース先生。至近距離にその笑顔は反則だって!!1人、心の中で悶えているとエース先生がジーっと見てきた。
『な、なんですか…?』
「***はチョコくれねぇのか?」
『えっ!』
「バレンタインって良いよな!チョコ食い放題!」
それエース先生とか一部の人だけだと思う。敵作ったよ絶対。
けど笑顔でこっちを見てくるエース先生に一生懸命ラッピングした物を渡した。
『い、言っときますけど勉強見てもらったお礼ですからっ!べ、別に特別な感情とかわ………!』
「ふーん……(ニヤニヤ)」
しまった!逆に怪しかったかな?今度は1人で焦っていると「ありがとな」って私の頭をくしゃくしゃと撫でて歩いていったエース先生。
最後の笑顔は反則だ………
- バレンタインって緊張する -
ただいまーっと
お、エースおかえり!何だその袋!!
あ?チョコだよチョコ。ルフィは貰わなかったのか?
***に貰ったぞ!?チョコクッキー一杯くれた!
…………ふーん(俺にはガトーショコラか…あいつ可愛い所あんな)
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