▽ 甘い雰囲気には程遠い
走っていると体つきのいい2人組にぶつかった。
うわ、やば…恐る恐る顔を上げるとキッドとキラーだった。
『なんだあんた達か』
「なんだとはなんだよ、お前」
「こんな時間に1人で何をしてるんだ?」
『ちょっとコンビニ行こうと思って』
私の言葉に驚くヤンキー共。なんだよう。睨んでみたけど全く効かないみたいで、何故か両隣に並ぶヤンキー。
『………え、なにこれ。いじめ?』
「ばーか、女がこんな時間に1人はあぶねぇだろ。世の中もの好きも居るしな」
『ちょっと!もの好きってなによ!』
キッドにパンチしたけどこれも全く効いてない。
「キッドは***が心配なんだ。不器用なんだ、察してやってくれ」
「おいキラー!適当な事言ってんな」
『え、キッド心配してくれてるのー?実は優しいんだ!ヤンキーなのに。』
「ばっ、してねぇよ!!俺はヤンキーでもねぇ!早くコンビニ行くぞ!」
これ周りから見たらカツアゲされてるみたいに見えるなって1人で笑って居ると誰かが名前を呼んできた。振り替えると会いたいと思っていたエース先生。
『え、エース先生?』
「先生?」
『あぁキッド達、学校来てないから知らないか。今実習で来てる先「お前等なに女囲って脅してんだよ」
エース先生の言葉に私も、キッド達も意味が分からず何も反応しなかった。てか出来なかった。そしたらそれにも苛ついたのか私とキッド達の間に割り込んできた。え、何事っ?
「こいつは俺の生徒なんだよ。何か用か」
………もしかしてエース先生、私がほんとにカツアゲされてると勘違いしてる?というか勘違いしてるよね?確実に!!何か今にも喧嘩が始まりそうなんだけど!恐る恐るエース先生に声をかける。
『あのー、エース先生?その2人も一緒のクラスの子なんだけど…』
「………………………………は?」
間抜けな声を出したエース先生。それから2人の話をしたら、2人に「すまねぇ」って謝ってた。まあ、キッド達は気にしてないみたいだったけど。あんな見た目だから慣れてるのかな?
キッドの「やっぱりもの好きも居るんだな」って言葉には納得いかないんだけどね。
『てかエース先生助けるなら“俺の女”って言って下さいよっ』
「何でだよ!言っただろ?俺は貧乳とガキは嫌いなんだよ!」
『うわっ今貧乳と年下を敵にまわした!!』
「ふっ、俺はそれでもモテるんだよ」
『うわっ、ナルシストだ、ナルシスト!!』
エース先生がほんとチャラ男みたいな事言うもんだから軽く言い合いみたいになった。
「………キラー帰るか」
「そうだなキッド…」
- 甘い雰囲気には程遠い -
あれ?キッド達わ?
知らねぇ。てかあいつ等が生徒だって分からねえって。
え?一応設定の所に書いてあるよ?
……え、あ、そう……
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