Every day with the dearest person | ナノ

▽ 君といると心が温まる


 
買いたいモンは決まってるのに、どれにするかが決まらねぇ。

***との折角のデート中なのに、嘘をついて***とは別行動をとっている。しかもその嘘は便所。
早く決めて戻らねぇと、俺が腹壊して気張ってると***に勘違いされちまう。“そんなカッコ悪いエース嫌い!”なんて言われたらこのまま海に逃げてやる。

そんな馬鹿な事を考えながらも、***にあげるモンだから適当には選びたくねぇ。
けど、どれも***のイメージとはちげぇんだよな。

ここも***のイメージに合うモンがねぇな……
ため息を吐きながら店を出ようとしたその時、店の隅にひっそりと置かれていた指輪に目が行く。

控えめながらも小さく光る薄いピンクの石。
クンツァイト……"包み込むような暖かい愛を象徴する石"

「***にピッタリじゃねぇか!!!」

俺の声が響き、店に居た客の視線が俺に集まる。すみませんと謝り早めに会計を済ませる。可愛くラッピングされた箱を改めて手に取り、店を出た瞬間たまたま居合わせた海兵と目が合う。

「あ、お疲れ様でーす。今日はいい天気ですねー」
「本当ですねぇ。こんないい天気だと、つい仕事の事忘れてくなりますよねぇ」

あははーなんてお互い笑い、数秒の沈黙が出来る。
ふとした瞬間、真顔に戻り俺が走り出したのと同時に海兵が叫ぶ。その叫び声に、駆け付けた海兵の数がまー多い事。

「ポートガスだ!!逃がすなー!!!」

海兵の叫び声をバックに最愛の人を探す。
屋台のような風貌の店でアクセサリーを見ている***を見つけ、思わず口角が上がる。

「***ーっ!走れ!!」

俺を見た瞬間、笑顔になった***が直ぐに俺の後ろを見て表情が変わる。
コロコロと変わる表情に「好きだな」と感情が零れる。***に追いつき抱き上げ、そのままストライカーのある方角へ走っていると***のため息が。

「エースとはゆっくりとデートも出来ないの…?」
「まあ、海賊だしなあ」

笑って答えると、「もう!」と頬を膨らませ怒る***が可愛くて、ストライカーが見えて来た事に少しガッカリする。
もう少しこのまま***を抱えて走るのもアリかと思っていたんだけどな。

「ストライカーに乗るから舌噛むなよ!」

ストライカーに飛び乗り走り出す。ブーブーと何か言っている***に笑みがこぼれているのをバレないように。


- 君といると心が温まる -


ゆっくり出来なくても、これからも沢山出かけよう。
色んなとこ行って、色んなモノを見て、いつまでもその笑顔を見せてくれ。
そしていつかは……俺か***似のガキ連れて、
思い出の場所でも行こう



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