Every day with the dearest person | ナノ

▽ Every day with the dearest person


 
視界が揺れている。別に揺れている理由は地震じゃない。ましてやオヤジが切れて暴れてるとかでもねぇ。俺自身が揺れている。

「……ちょっとエース隊長。その貧乏ゆすりやめてくれません??」
「………そう言うシェリーも足組み替えすぎだろ」
「いや、お互いそろそろ落ち着けよい」

俺とシェリーを見てため息を付くマルコ。
でも今日ばかりは仕方がねぇだろと言いたい。だがそれよりも今は心配でそれどころじゃねぇ。
俺等以上に落ち着きのないサッチがウロウロとしている。「ああ、神様お願いします」とか訳わかんねぇ事をブツブツ言いながらウロウロしているとドアが開いた。開くと中から聞き覚えのない泣き声がモビー中に響き渡った時、鳴き声に負けねぇ歓声が響いた。

「エース隊長、是非中へどうぞ」

嬉しそうに笑うナースの言葉。恐る恐る中に入ると***がベットに座っていた。疲れた表情……だが嬉しそうに。俺に気が付いた***が、「エース!」と俺の名を呼ぶ。俺の後ろに居たシェリーが「隊長、早く進んで!」と言い押してくる。この空気をもう少し味わいたい気持ちがあったが、シェリーの後ろにサッチ、マルコと泣き声に釣られてクルー達が先程より増えていた。

「エース……見て?可愛い……」

もうすでに母親の表情をしている***に言われ見てみると、気持ちよさそうに寝ている赤ん坊。そう、俺と***の子だ。

「ふふ、寝てる顔エースそっくり」
「そ、そうか…?***のが似てねぇか??」
「えーそうかな??」

そんな会話をしていると赤ん坊が目を覚ました。俺と目が合い、俺もどうしていいか分からずうろたえていると「あー!」とニコニコと笑いながら俺に手を差し伸べてきた。思わずその手に人差し指を差し出すと、ギュウと握られた。嬉しそうにキャッキャと笑いながら。

それまで***と赤ん坊が無事で良かったとは思っていたが、別の感情が俺の中を流れた。その感情が全身に流れると、ポタリと涙が赤ん坊の頬に落ちた。一瞬、不思議そうにしたがまた笑い出す赤ん坊と、そんな俺を見て少し笑う***を抱きしめる。

「……ありがとう。俺を父親にしてくれて。ぜってぇ幸せにする。例えこいつが……俺のせいで世界から嫌われたとしても、何があっても守る。この笑顔を守り続ける。」

泣いているせいで声が震える。だが俺の素直な気持ちに***が答えるかのように笑ってくれた。

「もう私の事は守ってくれないの??」
「ばーか。***もこいつも守る。」

からかう様に言う***にそう答えると「ありがとう」と嬉しそうに言う***が、今までで一番綺麗に見えた。



- Every day with the dearest person
      最愛な人との日々 -


エース…私男の子も欲しいな
……ダメだ。次も女しかダメだ!!
…なんでよ。私は男の子欲しい。小さいエースみたいで絶対男の子も可愛いよ!?
ダメだ。***の胸を俺以外の男が吸うなんて……例え自分の子供でも耐えられねぇ…!!
…………なにそれ



たく、どこまでもバカップルだなほんと。
まあまあ、そう呆れんなってマルコ!
そうですよマルコ隊長。あの夫婦がああじゃないとこの船も活気でないんじゃないです??
平和ボケも程々で頼むよい、全く
(ふふ、そう言う割にいつも嬉しそうに見ている癖に)



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