▽ ありがとう、ごめんね
目の前に憎いティーチが居るのに、掠り傷すら付けれない。簡単に捕まりエースに助けられた。
くやしい……目の前に居るのに…!
全く相手にならない。けどこいつのせいで白ひげの皆が悲しい思いをした。
「エース!離して!あいつを!ティーチを殺すの!」
「***!落ち着け!!」
「うるさいっ!!離せぇぇぇぇぇ!!」
暴れるもののエースにしっかり掴まれ、どんどんティーチから離れていく。私を掴むエースの手を叩いて暴れる。
「離してって言ってるじゃない!!」
止まったかと思うとパンッと軽くエースに頬を叩かれる。
「叩いてわりぃ。…けどちっとは落ち着けよ…どうしちまったんだよ……」
見た事もないエースの悲しそうな顔。そこで気が付いた。
“私も悲しい思いをさせてる”って。
「ご、ごめっ……ごめんなさい…」
思わず涙が出た。
何がティーチを殺すだ。手も足も出ない。結局は助けられて、エースに悲しい思いをさせてる。
謝る私をいつもみたいに優しく抱き締めて「大丈夫だ、大丈夫だからな」って頭を撫でてくれるエース。
その優しさが余計、申し訳なくなった。
「……どうだ?落ち着いたか?」
「………うん。ほんと皆ごめん…」
「まあ***が無事ならそれでいいわ」
「たく、あんまり無茶しないでよね!」
「シシシ、気にすんな!」
落ち着いた私を見て安心する皆。
「***…急にどうした?」
「…………」
「言いたくなかったら言わなくていいからよっ」
「………前、エースの誕生日の時話したじゃない?私の世界ではエースと親父様が死んだって」
「……………ああ」
「そうなのか!?エース!!」
「ちょっとルフィは黙ってなさい…」
深呼吸をしてエースを見る。
「ティーチを見たら頭に血がのぼっちゃって…こいつのせいでエースやサッチ、親父様が死んだんだって…こいつのせいで皆が悲しんだんだって思うと、ティーチが許せなくて…」
「それで飛び込んでいったのか?」
「…………うん…ほんとごめんなさい…」
ため息をつくと頭をゴシゴシとかいているエース。
今回こそ呆れられたかも………
そう思うと涙がまたこぼれそうになる。
「その気持ちは素直に言うと嬉しい!が、あんま無茶すんなよ……***に何かあると親父達に怒られるのは俺なんだからよ」
そう言ってまた抱き締めてくれるエース。 「ごめんね」と謝ると「今日一発ヤらせてくれたらチャラな」とか言って、いつものように接してくれる。
「たく、またバカップル発揮?まだ海軍も近くに居るだろうし、さっさとサニーに帰るわよ!」
呆れながらもどこか安心した表情で言うナミ。
「それもそーだ。***、愛の巣に帰ろうぜ?」
「おい!エース!!サニーは俺達の船だかんな!?」
「……全くよ。サニーでやらしい事したら金取るわよ」
「ふふ」
もう普段通りに騒ぎだす皆に心の中で「ありがとう、ごめんね」と言った。
- ありがとう、ごめんね -
あーあ、ゆっくり買い物出来なかったじゃない
す、すいません…
まあ、海軍とおいかけっこ楽しかったなー!シシシ
あああああああ!帰ってきた!***ちゅぁん!!
***ー!!お前何しでかしたんだよ!!
へ?な、なにが!?
これだよ!これだよ!
『死の神 *** 賞金56,000,000ベリー』
はああああああああああああ!!?
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