▽ 側に居てくれるだけで十分
朝から頭がガンガンする。
昨日二日酔いするほど飲んでなくて不思議に思っていると、サッチに「***ちゃん顔赤いよ?」と、言われ念の為熱を計るとバッチリ熱があった。
「うわ、***ちゃん熱あるじゃん!お粥でも作って持ってってやるから部屋で寝てな!」
サッチにそう言われ大人しく自分の部屋へと戻った。
「熱があるって分かった瞬間、体が怠くなるのは何でだろ…」
ベットで横になりながら考える。
こんな時に彼氏が看病してくれたら、どんなに幸せなんだろうなあ…って考えれば考えるほど悲しくなる。
だって私の彼氏、マルコは年がら年中忙しい男だ。仕事仕事で普段からでも、なかなか2人でゆっくり出来ない。
変な心配もかけたくないし、大人しく寝ていよう…
目を閉じてふぅ、と一息ついた時バンッとドアが勢いよく開いた。
「ほんとに弱ってんのかよい」
「ノックするとかしてよね…」
「一丁前に熱なんか出しやがって。あれほど体調管理はしっからしろと言ってただろい」
「……体調が悪い時くらい説教はやめてよね」
看病とか甘い雰囲気になる訳でもなく、説教って…。しかも病人に対しても優しさのかけらもないってのは流石と言うか……
「てか嫌味言いに来たんなら出て行ってよね…頭に響くから」
言ってから少し子供っぽかったかなと後悔しつつ、フンッと寝返りを打つとドサリと座る音が。
「たく、そんだけ拗ねる余裕があるなら大丈夫だな。大人しく寝てろよい」
「……何座ってんの…」
「あ?誰かさんが***が死にかけてるだの騒ぎやがったから様子見に来てやったんだが、平気そうだから仕事すんだよい」
そう言ってほんとに仕事を仕出すマルコ。
……なにそれ……けど…側にいてくれるだけで嬉しいとか、マルコにベタ惚れだな私……
- 側に居てくれるだけで十分 -
あ、***ちゃんもう平気ー?
まだちょっと体はダルいけど熱は引いたし大分良くなったよ。心配かけてごめんね?
気にしなくていいって!俺もおもしれぇもん見れたし!
面白いもの?
マルコに言ったらすんげぇ冷や汗かきながら「***は大丈夫なんだろな!?」って焦って面白かったぜ!?
え、そうなの…?
そりゃあもう凄かったよ?ニヤニヤ
サッチ!!余計な事言うじゃねぇよいっ!!
ふーん、そうなんだ…(やばい、嬉しい…)
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