▽ マルコが逆トリップ
気持ちよく寝て居るのにユサユサと体が揺れる
「おい、起きろよい」
「うーん……後30分……」
「なげぇよい。起きろ。遅れるぞ」
しつこく揺すられる為嫌々目を開けると、ボヤァ〜と何か見えた。んー、葉っぱ?この形わ……
「んー?……パイナップルゲットだぜぇー……い?」
「おい、***……いい度胸だなあ…」
寝ぼけて掴んだのはどうやらマルコさんの髪の毛でした。マルコさんの顔は恐ろしい程怖かった。
「くだらねぇ事してねぇで、さっさと用意しろよい!仕事に遅れてもしらねぇぞっ!!」
「はいっ!すいません!マッハで用意します!」
あまりの怖さにいつもはダラダラと1時間以上かかる用意が30分くらいで出来た。マルコさん恐るべし……
マルコさんの出会いも不思議な物だった。
仕事から帰ってきてドアを開けると凄い剣幕で「お前ぇがここの家主か?」と聞かれチビるかと思った。だってほんと怖かったんだもん。
それから何故マルコさんが私の部屋に居たのか聞くとマルコさんもよく分からないらしい。何でも、朝起きて自分の部屋を出てドアを閉めたら私の部屋に居たらしい。
そんな摩訶不思議な事が起きたら私なら絶対不安でたまらないだろうけど、マルコさんは平気そうで「グランドラインだし仕方がねぇよい」とケロリと答えててマルコさんは凄い人だなーって思ったっけ。
なんて、マルコさんの偉大さを実感しながら鞄を手に取り時計を見ると頑張って用意したおかげか、早く会社に着きそうだ。
仕事1つ終わらせたいのあったし丁度いいなと考えていると「***」とマルコさんに呼ばれた。
「お前ぇシャツのボタン1つずつズレて付けてるよい」
そう言ってボタンを付け直してくれるマルコさん。
付け直してくれるのは有り難いんですが……あの……近いっ!
マルコさんのが背が高いから必然的に、マルコさんは下を向くんだけど…か、顔が目の前っ!!
男の人がこんなに近くに居るのなんて約2年近く久しぶりなもんだから恥ずかしいのと冷や汗とで顔が引きつる。
ってか私もう2年も彼氏居ないんだ…虚し……
とか1人で勝手に照れて勝手に虚しくなっているとマルコさんのドアップが。
「お前ぇ…間抜けヅラだったが、話聞いてたか?」
「き、聞いてました!夜ご飯は闇鍋するぞ!ですよね!?」
いきなりのマルコさんの質問に即答すると、私の答えと同時に思いっきりチョップされた。
「いったぁ……!!何するんですか!鬼!悪魔!」
「人の話聞いてねぇのが悪いよい。で、何時くれぇに仕事終わるんだよい」
「へ?」
「向かえに行ってやるから、何時に終わるか教えろよい」
「……た、多分残業が無ければ5時には帰れます…」
「分かったよい」
そう言うとスタスタとキッチンへ戻ろうとするマルコさん。
え?まさかほんとに…?
信じられなくてボーっとしていると「遅刻するぞ」とマルコさんの冷たい一言。それはもう冷たい目で見ながら言ってきたから、さっきの言葉は幻聴だ!と少し苛々しながら靴を履こうとした時、マルコさんが「あーあと」とダルそうに言ってきた。
「なんですか!時間ないんですけど!」
「お前ぇ案外寝顔可愛いんだな」
なんてニヤリとしながら言うマルコさんにドキッとした。
もしマルコが逆トリップした場合
→ 不意打ちにやられそう
な、なに見てるんですか!!へ、変態!へーんたい!!
いいから早く会社に行けよい…(おもしれぇ奴だよい)
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