▽ ローが逆トリップ
「あ、あの……ローさん…?」
「………なんだ」
「眠れないんですけど……」
「知るか。お前は俺の言う事を聞いてろ」
そう言って目を閉じるローさん。
いや、無理ですって!だって、だって……ローさんに抱き締められてるんだもん!!チラリと上を見ると整った顔のローさん。
無理!息止まるっ!!
そう思ってそーっと私の体に巻き付いてるローさんの腕を剥がそうとすると「おい」と低い声。
「動くんじゃねぇ。寝れねぇだろ」
「……………すいません」
私の言葉に満足したようで、また目を閉じ寝始めるローさん。
何でこんな状況になったかと言うと約3時間前。
残業もなく早めに家に帰れるな、とルンルンで帰っていると道に倒れてる人が。
そのまま通り過ぎるのも人としてどうなんだと思い恐る恐る声をかけようと、手を伸ばした時、ガシリと腕を掴まれた。
「…………おい」
「ヒィィィィィィィ!」
ギロリと私を睨み付ける男の人。半泣きになっていると「お前の家に泊めろ」の一言。私に拒否権は無いらしく、この後も「飯を食わせろ」「風呂に入れろ」と言われ、そしてこの状況。
男の人に抱き締められるという事に緊張して寝れないんじゃない。それ以前の問題で実は男の人が苦手だったり…
職場も女の人ばかりの所を選んで、なるべく男の人には関わらないように生きてきた私にとっては、緊急事態。
どうしようかと焦っていると、またローさんの声が。
「お前顔色悪いがどうした」
「え、あの、その……」
「ハッキリ言え」
あの鋭い視線にビビって「実は男の人が苦手なんです!」と早口で伝えた。するとニヤリと笑うローさん。いや、目が笑ってないですよ、ローさん。
冷や汗が流れると同時に姿勢がグリンと変わった。ローさんが私の上に覆い被さる姿勢になっていた。
「お前………男が苦手なのか……」
「はっはい…!だから、その…離れて貰っても……」
勇気を振り絞って言う私の言葉に「ダメだ、お前は俺の抱き枕だ」と俺様発言。
「俺が戻れるまでにお前を俺なしでは生きれねぇように躾してやるよ」
そう言ったローさんの顔は凄くいい顔をしていました
もしローが逆トリップしたきた場合
→ 身の危険を感じる
い、いいです!てかいつ戻れるんですかっ!?
あ?んなの分かるか
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