others | ナノ

▽ ゾロが逆トリップ






今日は残業も頑張ったし、明日は休みだから久々に飲みまくるぞー!とスーパーで大量にお酒とツマミを買って家に帰った。さっさとシャワーを浴びてよっしゃー!飲むぞー!とビールの缶を開けた瞬間、ソファーにドンッと何かが落ちる音がした。


振り替えると緑色の髪の毛の男の人。しかも腰には3本の刀。ど、泥棒!?てか殺される!?って身構えたものの、目の前の男の人は動く気配がない。
え、もしかして死んでる……?落ちたというのに動かない彼に恐る恐る近付く。


彼に触ろうとした瞬間いきなり起き上がり「ヤベェぞ!大波だっ!!!」とか訳の分からない事を言ったかと思うと「……んだよ、夢か…」って言ってまた寝始めた。


いやいやいや。意味の分からない上にまた寝るの!?


「いやいやいや!困るって!」
「……あぁ?」


自分の心の中で突っ込んでいたつもりが、声に出ていたみたいで彼が反応した。………てか顔こわっ!!


「ここ何処だ?」


キョロキョロと周りを見渡す彼に説明をすると「ま、どうにかなるだろ」と私が飲もうとしていたビールをゴクゴクと飲み出した。


「お前は飲まないのか」
「…………飲みます」


それから2人でお酒を飲みまくった。ビールから焼酎まで久々のお酒と彼の飲みっぷりの良さに釣られて飲みまくった




「って危機感無さすぎだろ自分っ!!!」


ガバッと起き上がる。な、なんだ夢か……危ない危ない。何見知らぬ男と飲んでるのよ私………


ふぅーと息を吐きながらコーヒーでも飲んで落ち着こうかなとベットから降りようとした時、何か固い物に当たった。


「なんだろ……ヒィッ!!!」


手元を見てビックリした。夢に出てきた緑色の髪の毛の彼が呑気に寝ていたから。


「う、嘘でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「だーもーうっせぇな!お前!」


私の叫び声に起きたらしく、怒鳴られた。思わずその怖さに「すいません、すいません」と高速土下座をしてしまった。引いてたけど……



「で、えーと……ゾロさんはその俗に言う逆トリップってやつをしたんですよね?」
「多分な。俺はただ甲板で昼寝してただけなのによ」


ボリボリと頭をかき、欠伸をしながら言うゾロさん。て、言うかこの状況どうしたらいいのっ!
1人頭を抱え悩んでいるとゾロさんが平然と「暫く厄介になる」って言ったのが、私達の生活の始まりだった。


前フリがとても長くなったが、あれからゾロさんは寝ているか筋トレをしている。ずっと部屋の中に居て息苦しくないのかな……?てか、言いにくいのかな…


「ゾロさん、良かったら今日飲みません?沢山お酒買いたいし、荷物持ち頼まれてくれませんか?」


少し外に出てないゾロさんに同情して荷物持ちと言って外出したんだけど…………



「ゾロさんどこ行ったのよぉぉぉぉ!!」



そう、少し、ほんと少し目を離したら後ろに居たはずのゾロさんが居なくなっていた。
緑色の髪の毛なんだから、分かりやすいはずなのになかなか見つからない。てか、ゾロさん刀は無理矢理置いて来させたけど絶対喧嘩っ早いよね!?


「……………下手したら死人が出るかも知れないぃぃぃ!!」


ゼイゼイと息を吐きながらゾロさんと見てきた棚を見る。だが何処にも見当たらなく、冷や汗しか出てこない。
見た目の問題云々より、ゾロさんはこっちの世界に慣れてない…何かあったらどうしよう……


なかなか見つからない焦りと不安で涙が溢れそうになる。ゾロさん…………!!ギュッと拳を強く握った時後ろから「何してんだ、お前」とゾロさんかひょっこりと出てきた。


「え………ゾロさん……?」
「たく、***!お前俺が少し目を離したら迷子になってやがる…。しょうがねぇ奴だな。」


そう言って私が持っているカゴに大量のお酒の缶や瓶を入れていくゾロさん



「………………………………………あんたが勝手にどっか行ったんでしょ!?馬鹿っ!!」
「いっ!殴りやがったな!?」
「うっさい!あーもうっ!心配したんですから!!」





もしゾロが逆トリップをしてきた場合
→ やっぱり迷子になると思う



ゾロさん、最後にペットショップ行ってもいいです?
構わねぇが、お前ペットいたか?
いいえ、いませんよ。
じゃぁ、何で行くんだよ。何か飼うのか
いいえ、ゾロさんを繋ぐリードを買うんです。
リ、リード?んなの要ら「大丈夫、伸びるやつ買うんで」そーゆー問題じゃねぇだろ!?

prev / next

[ back to top ]


×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -