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▽ 昇格







私もバラティエの一員だった。バラティエ時代から歳も近いということもあり、サンジとは良きライバルでもあった。


どっちが副料理長になるか日々料理の腕を上げ、お互いの料理を食べてあーでもない、こーでもないと話したりもした。サンジが副料理長になった時、悔しかったけどサンジが副料理長で嬉しかった。


そんな時ルフィが見習いとしてバラティエに来てサンジを気に入ってルフィが海へと誘いオールブルーを求め海に出る事にしたサンジ。
サンジが居なくなったら私が副料理長になれるんじゃない!?って喜んでいたはずなのに、サンジとルフィが海へと出る時ルフィに「私も連れていって」とお願いした。


この時何故私がこんな事を言ったのか自分でも分からなかった。けど最近分かってきた。“サンジに惚れている”という事が。サンジと離れたくなくて私も海へと出たんだと。
けど、それを分かった時にはもう遅し。サンジにとって私は“バラティエ時代からの仲間”とインプットされている後だった。



「はあ……」
「ちょっと。折角のいい天気だから外で読書しているのに、空気重くなるからため息つかないでくれる?」


読書中のナミに怒られる。ごめんごめん、と謝るもののナミは呆れ顔だ。


「最近ため息多いけど、どうしたのよ。」


呆れ顔のままだが心配してくれているみたいだ。そのナミの優しさに甘えて相談した。


「ふーん、***がサンジくんをねぇ…」
「ニヤニヤしながら見るのやめてくれる!?」


私の話を聞いた途端ニヤけだすナミ。相談しなきゃ良かったかも…


「まあ、あんた達ならすぐくっつくでしょ?」


ナミの言葉に驚く。私とサンジが?全く女として見られてないのに!?



「え、自分で言うのもアレだけど、どの辺がそう見えるの…」
「この前あんたが寝込んだ時にね。」


2週間くらい前、熱を出して確かに寝込んだ。


「けど、あの時だってサンジに『熱で寝込むとかお前も人間だったんだな』って言われたけど……ナミが倒れた時は大泣きしてたのに………」


そうナミが倒れた時、大泣きしてビビに怒られていた。けど私の時はケロッとしていて、心配している素振りすらなかった。


「馬鹿ね……あの時寝ないでずっと看病していたのはサンジくんよ。皆が変わるって言っても聞こうとしなかったんだから。」


ナミが笑いながら言う。え、そんな事一言も言ってなかったけど………


「それにチョッパーが診察している横で見ているサンジくんの表情、今までに見た事のない心配そうな顔だったわ」


愛されてるわねってナミの言葉に顔が熱くなる。


「けどっ、私ナミみたいな扱いされた事ないしっ!てか女と思われてないと思う……」


自分で言ってて悲しくなるけど、実際そうだ。ナミの服装には毎回「可愛い」を連呼するサンジだが私には1回も「可愛い」と言ってくれた事がない。


「何回も簡単に言われても嬉しくないわよ。言葉が軽いのよ。」
「それでも言われてみたいよ…」


少し落ち込んで居ると噂の本人がキッチンから出てきた。


「んナァァァァァミさぁぁぁぁぁん!おやつのタルトが出来たよぉvvvvvvvって、***も居たのか」
「…………居たらダメなの?」


いーやと言いながらナミにコーヒーを入れるサンジ。微笑みながらコーヒーを渡している。なによ、私にも微笑んでよ…


「ほれ***。砂糖1個半だろ?」
「……うん、ありがと。よく知ってるね」
「どんだけ付き合い長ぇと思ってんだ」


笑いながら言うサンジ。………やっぱカッコいいな…まあ、目線はナミなんだけど。


「私もナミみたいになりたいな」


ボソッと言ったつもりが案外大きかったみたいで、ナミもサンジもこっちを見ている。あ、やば。


「いやっ、今のは「ばーか。お前はそのままでいいんだよ。」え」


サンジの言葉に思わずビックリする。だって!サンジが!!初めて私にそんな事を言ったから。


「お前は今のままでも十分魅力的だ。」


サラリと言うサンジに顔がドンドン赤くなっていくのが分かる。


「な、え?サンジ変な物でも食べた!?」
「食べてねぇ」
「そ、そう………」
「ま、***の事は食べてぇけどな」
「そ、そう、ええ!!?」


ただでさえさっきの発言でパニックなのに、サンジがとんでもない事を言うもんだから余計パニックになる。


「ほんと***は、からかいがいあるな」


サンジのその言葉にパニックになって顔が熱かったはずなのに、その熱が冷めた。からかってただけかよ。なによ…………


じんわりと涙が滲む。けど泣かない。悔しいから。悔しいのもあるけど泣いたりしてサンジとぎくしゃくしたくない。
そう思っていても、いつ涙が零れても可笑しくない状況。思わず顔がうつむく。
うつむいたはずなのに、サンジの大きな手によって無理矢理サンジと目が合うように顔が上げられる


「何、泣きそうになってんだ」
「別に………泣きそうになってない」
「なってるだろ?」
「……………………なってない」


もうこのやり取りですら泣きそうになる。期待した自分が惨め。早くこの場から立ち去ろうした時、チュッと音がした。ビックリして目をパチクリさせるとサンジが私の頬にキスをしていた。


「ほんと可愛いな***わ」
「え、かわっ………」
「可愛いよ。もう俺も限界みてぇだわ。今までみてぇに***とはライバルみてぇに居られねぇわ。」


サンジの言葉に本日2度目のパニック。


「かっ、からかうのは辞めてよねっ」
「……照れ隠しだよ。ずっとライバルとして接してきてたのに、異性と意識した途端ダメだわ。***が、可愛いくて仕方がねぇ。」


またドンドン顔が赤くなっていく。するとサンジに引き寄せられ抱きしれられる。


「あんま可愛い顔すんなよ……他の奴に見せたくねぇ」


サンジの心臓が凄く早く動いているのが分かる。サンジの心臓につられて私の心臓も早くなる


「イチャつくなら2人の時にしてくれない?」
「うわっ!」
「ナ、ナミさん!?」
「言っとくけど、ずっと居たから」


そ、そうだった。ナミ居たんだった…。少し怒りつつも何だか安心した顔で「お幸せに」と言ってさっていくナミ。ナミが去った後沈黙が出来る。


「………………あのよ、…………これからはライバルじゃなく、恋人になってくれねぇか」




そう言うサンジの顔は真っ赤だった。





- 昇格 -



ライバルから恋人に昇格できました。




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サンジくんのイメージ壊してごめんなさい。
そして最後力尽きましたorz

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