▽ 優越感
「全くこんな事も出来ねぇのか。簡単な書類だろい」
そう言って新人くんに怒るマルコ。新人くん半泣きじゃん。まあ、マルコ顔怖いからね。
マルコの部屋に遊びに来てた私はマルコと新人くんのやり取りを見ていたけど、そろそろ助け舟でも出してやるか。
「そろそろいいんじゃない?マルコ」
「……お前は甘すぎるんだよい」
「新人くんも、もう出来るよね?」
「は、はいっ!」
「ほら!じゃあ、いいじゃん!新人くんお昼食べてきなよ」
私の言葉に「失礼します」と一礼をして出ていった新人くん。うん、なかなかいい子だな、あの子。新人くんが部屋を出た瞬間、机に伏せるマルコ。お、出るか?
「ああああ!今俺言い過ぎたか?けど最初に厳しくしとかねぇと、あいつの為にならねぇし……」
そう言って1人でブツブツ言っているマルコ。
そう、世間では白ひげ海賊団一番隊長、真面目なマルコで通っているマルコだが、ほんとは物凄く気にしぃな性格だ。てかヘタレ?いつもクルーを厳しく怒った後は「俺嫌われたか?」とか「明日から無視されたらどうしようか」とか他の隊長達が聞くと大笑いするだろうな。
勿論こんなマルコの一面を知っているのは彼女の私の特権かな。確かに最初はビックリした。けど、私だけに見せてくれるって優越感だよね。
今もブツブツと「後で謝るか?いや、でもな」と1人で言っているマルコを見て笑っているとドアが開く。
「マルコー!!今日の昼すげぇ豪華だったぞ!」
「そんな事いちいち言いに来なくても良いだろいエース」
……………グフッ。この切り替えがツボたったりするけど。
「どうしたんだ?***」
「いやっ、なにもない」
笑いを堪えながら言うと「おかわりしてくるわ」って言って出ていくエース。あの子あれをマルコに言いに来ただけなの!?
「……マルコってほんとクルーに愛されてるよね」
「あいっ…!?気持ち悪い事言うじゃねぇよい…」
「ほんとの事じゃん。いつも怒った子に感謝されてるじゃん。“あの時は厳しく指導してくれてありがとうございました”とか言われてたし。」
「………***は、ほんと良く見てるんだな…」
「まぁねぇ。マルコの事取られるんじゃないか不安で不安で」
「笑いながらよく言うよい」
「しっかり者のマルコもヘタレなマルコも好きだよ」
「ヘッ……俺も好きだよい…」
ヘタレって言葉に苦笑いしながらも照れるマルコを見て、こんな表情も私だけが見てるんだなって思うとやっぱり優越感を感じた。
- 優越感 -
やっぱり謝りに行こうか!?でも…ブツブツブツブツ
(……こんな姿他のクルーに見せれないなあ、威厳がね…)
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